著者
山口 栄一 藤田 裕二
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次大会講演要旨集 29 (ISSN:24327131)
巻号頁・発行日
pp.659-662, 2014-10-18 (Released:2018-01-30)

日本および米国それぞれのSBIR制度(Small Business Innovation Research Policy、中小企業技術革新制度)の趣意の相違を明らかにするために、被採択者の出自を調べた。日本については、1998年から2010年にかけて採択された企業の責任者の全数調査(3559名)。また、米国については、2011年に採択された企業の責任者(Principal investigator)の全数調査(1034名)である。その結果、以下のことが分かった。まず、日本では1998年SBIR政策施行以来、代表者の7.7%しか博士ではなかった。即ち大学で生まれた最先進の科学をイノベーションに転換する意識がなかった。いっぽう米国では、1982年のSBIR施行以来、代表者の74%が博士だった。即ちSBIR政策を通じて大学で生まれた最先進の知識を体系的にイノベーションに転換する意識があった。米国では代表者の出自は、化学、物理学など、理学系がもっとも多く、国家はSBIRを通じて政策的に基礎研究を産業に転換することをめざしてきたことが分かった。
著者
藤田 裕二
出版者
玉川大学文学部
雑誌
論叢 (ISSN:02868903)
巻号頁・発行日
no.47, pp.189-201, 2006
被引用文献数
1