著者
山口 栄一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.462-470, 2015-09-01 (Released:2015-09-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1
著者
山口 栄一 水上 慎士 藤村 修三
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.30-44, 2000 (Released:2022-07-27)
被引用文献数
5

技術創造の方法論として,基礎研究から開発に至る線形モデルは衰退し,技術と科学とのフィードバック・ループによるモデルの有効性が高まってきた.そのため「実行情報」の担い手の共鳴場を作ることが急務の課題であり,大学等の研究施設を企業に開放するなど研究者の地域的集積を図る必要がある.公的な研究支援では,研究主体とは独立し自己革新の契機をもった目標設定と評価の主体が不可欠である.
著者
山口 栄一 藤田 裕二
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次大会講演要旨集 29 (ISSN:24327131)
巻号頁・発行日
pp.659-662, 2014-10-18 (Released:2018-01-30)

日本および米国それぞれのSBIR制度(Small Business Innovation Research Policy、中小企業技術革新制度)の趣意の相違を明らかにするために、被採択者の出自を調べた。日本については、1998年から2010年にかけて採択された企業の責任者の全数調査(3559名)。また、米国については、2011年に採択された企業の責任者(Principal investigator)の全数調査(1034名)である。その結果、以下のことが分かった。まず、日本では1998年SBIR政策施行以来、代表者の7.7%しか博士ではなかった。即ち大学で生まれた最先進の科学をイノベーションに転換する意識がなかった。いっぽう米国では、1982年のSBIR施行以来、代表者の74%が博士だった。即ちSBIR政策を通じて大学で生まれた最先進の知識を体系的にイノベーションに転換する意識があった。米国では代表者の出自は、化学、物理学など、理学系がもっとも多く、国家はSBIRを通じて政策的に基礎研究を産業に転換することをめざしてきたことが分かった。
著者
山口 栄一 西岡 孝
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.p743-751, 1993-07

Elementary processes of nuclear fusion reaction in solids have been studied by providing the sample in a vacuum system. The key factor of this study is heterostructures fabricated by depositing thin film oxides and Au on one and the other surface of deuteron-loaded palladium (Pd-D) plate. Using this method, we have detected ^4He production by the real time observation using high-resolution quadrupole mass (Q-mass) spectroscopy. It has been shown that the peak attributable to ^4He mass (4.0026 amu) appeared chaotically when the sample's temperature increased rapidly. The system of H-loaded (Pd-H) heterostructure, on the other hand, produced no peak at 4.0026 amu. We have also confirmed that the peak at 4.0026 amu in the Q-mass spectra is not due to the existence of contaminated ^4He in the air or in the D_2 cylinder used. This result indicates that a new class of nuclear fusion occurs in condensed matter.
著者
山口 栄一 西岡 孝
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.712-714, 1993-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
8

重水素化パラジウム(Pd-D)の一表面にAuを蒸着し,もう片面に酸化膜MnO2を蒸着した試料を真空中に置いて,通電加熱することにより,4Heの生成をリアルタイムで観測した.測定は,高分解能(4amuにおいて0.001amu)四重極質量分析装置を用いて行った.4Heの質量(4.0026amu)に等しいピークは,重水素分子の質量(4.0282amu)に等しいピークと明確に分離し得,その出現は,通電加熱を始めて数時間後に突然起きる試料温度の急激な上昇と時間的な相関を有していた.一方,軽水素化パラジウム(Pd-H)を用いた同様の実験では,4Heの質量に等しいピークの出現は観測されなかった.以上の実験結果は,固体中で新しいメ力ニズムによる核反応が生じていることを示唆する.
著者
飯嶋 秀樹 山口 栄一
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.691-694, 2014-10-18

2000 年代になって世界では日本だけが論文数を伸ばさなかった。「研究成果を論文発表することは、最も創造的な営みのひとつ」であるから、これは日本の創造性が衰退し始めた兆候と考えてよいだろう。本研究の目的は、論文数の減少がなぜ問題なのかを考えながら、日本の論文数が2000年代に伸びを失った原因を明らかにし、日本の科学研究が創造的な発展を遂げるための方策を探ることである。日本の論文数の推移を研究分野ごとに詳細に分析した結果、物理、物質科学、生化学・分子生物学などサイエンス型産業を支える基幹科学の論文数が2003年前後を境に急減し、一方、サイエンス型産業の一翼を担う化学の論文数が急減しなかったことを見出した。日本全体の論文数の停滞と、物理と化学の論文数の増減パターンの違いの原因を明らかにするために、論文数と博士課程学生数との相関性を比較検討した。日本全体の論文数と博士課程学生数とのあいだには非常に高い相関性がみられたが、物理では、学生数の変動が6年後の論文数と高い相関性があることを見出した。2000年代初頭に物理論文が急減した原因は、1990年代後半のサイエンス型産業(特に半導体)の衰退が引き金となって、物理専攻の博士課程学生数の減少を招き、数年後の若手研究者の減少という事態に至る連鎖的反応であることが分かった。