著者
網中 裕一
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次大会講演要旨集 30 (ISSN:24327131)
巻号頁・発行日
pp.545-548, 2015-10-10 (Released:2018-01-30)
被引用文献数
1

アメリカの研究機関において新たな研究費獲得ツールとしてクラウドファンディングが注目されており、日本を含め世界的に広がろうとしている。本発表では日本でもクラウドファンディングを研究費獲得ツールとして有効活用するために、『支援者がクラウドファンディングを利用して学術研究へ支援する動機』を調査した。特に「インセンティブ」、「研究分野」に焦点を当てて調査したところ、以下の2点が明らかとなった。・特定の研究分野を除き、インセンティブの設定は支援者の支援動機になり得る。・研究分野毎に支援者の支援動機、支援に対するフィードバックは異なっている。
著者
山口 栄一 藤田 裕二
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次大会講演要旨集 29 (ISSN:24327131)
巻号頁・発行日
pp.659-662, 2014-10-18 (Released:2018-01-30)

日本および米国それぞれのSBIR制度(Small Business Innovation Research Policy、中小企業技術革新制度)の趣意の相違を明らかにするために、被採択者の出自を調べた。日本については、1998年から2010年にかけて採択された企業の責任者の全数調査(3559名)。また、米国については、2011年に採択された企業の責任者(Principal investigator)の全数調査(1034名)である。その結果、以下のことが分かった。まず、日本では1998年SBIR政策施行以来、代表者の7.7%しか博士ではなかった。即ち大学で生まれた最先進の科学をイノベーションに転換する意識がなかった。いっぽう米国では、1982年のSBIR施行以来、代表者の74%が博士だった。即ちSBIR政策を通じて大学で生まれた最先進の知識を体系的にイノベーションに転換する意識があった。米国では代表者の出自は、化学、物理学など、理学系がもっとも多く、国家はSBIRを通じて政策的に基礎研究を産業に転換することをめざしてきたことが分かった。
著者
梅田 博之
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次大会講演要旨集 30 (ISSN:24327131)
巻号頁・発行日
pp.1061-1064, 2015-10-10 (Released:2018-01-30)

2015年8月現時点において産学連携関連の研究は、大規模データ分析を用いたものを初めとするマクロ的な視点で論じている研究が多い。それとは対照的に、実際的・現場的ミクロな視点を持ったものは少ない。そこで本論文は私がデータ分析システムを開発・販売する会社(AIC社)を起業した経験をまとめた。内容としては起業を計画するところから、製品化断念までの実体験をまとめた。また失敗の原因の考察、考察から見えてきた製品化成功のための一仮説を掲載している。