著者
タピア フリアン タピア・デ・アルバレス アスンタ 藤田 護
出版者
アンデス・アマゾン学会
雑誌
アンデス・アマゾン研究 (ISSN:24340634)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.19-51, 2023-12-20 (Released:2023-12-21)
参考文献数
14

本稿は、アイマラ語による口承の物語や歴史語りを原文対訳の形式で公開しつつ、それぞれの語りの特徴について考察を加えるという、藤田が展開してきた取り組みの一環を構成する。ここでとりあげるのは、弟フリアン・タピアと姉アスンタ・タピア・デ・アルバレスによって語られた、両姉弟の祖父がキリワヤ(ボリビアのラパス県ムリーリョ郡)のアシエンダ領主によって虐待されていたのに対し、祖母がラパスの街に住む自身の姉妹の結婚相手の軍人(大佐)を頼り、大佐からの働きかけでこの虐待を止めてもらうという、家族の中で伝承されてきたオーラルヒストリーである。冒頭Ⅰ章では、どのような協力関係の下でこの調査が行われたかについて述べる。Ⅱ章では、この語りのあらすじを示す。Ⅲ章では、この語りがアイマラの人々と支配階層のあいだのどのような社会関係を示しているか、姉と弟で語りの強調点がどのように異なっていて、またどの点は共通で踏まえられているか、そしてこの語りのアイマラ語の文体にどのような特徴が見られるかについて考察する。Ⅳ章では、アイマラ語の表記や、訳に用いるスペイン語のバリアント(アンデス・スペイン語)とその意義について述べた後で、原文対訳テクストを掲げる。Ⅴ章では、結論と今後の展望を述べる。
著者
藤田 護
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.188, pp.65-81, 2009-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第188集『アイヌ語韻文表現法』 中川裕 編
著者
藤田 護
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

前年度には、文献調査及び予備的現地調査を実施した。これを基に、本年度はボリビアにおける長期現地調査を実施した。この現地調査においては、参与観察の手法に基づき複数の組織(NGO、ラジオ局)において活動に同伴し、これらの機関の補助的業務を自ら担いながら、民族誌的データの収集に尽力するとともに、アイマラ先住民の人々が自らをどう見ているかに関する、現地でも限られた人間しか存在を知らない未公刊の貴重なラジオドラマ資料(脚本、音声資料、視聴者のお便りなど)へのアクセスを多数得るとともに、重要関係者への聞き取り調査を実施し、また現地で公刊されたおもにアンデスの言語人類学と社会人類学に関する文献のさらなる収集作業を行った。これらはすべて日本国内ではアクセスできないデータであるため、今回の現地調査は有意義な結果を上げることができた。これらの作業と並行して、博士論文執筆のための大枠の構成・目次案を定め、研究指導教官および現地で研究上のアドバイスを受けている研究者との打ち合わせを行った。また、アイマラ語での聞き取りデータについては文字起こしを進め、正確さを期すためネイティブの話者との確認作業を継続した。本年度の調査で収集した題材を基にして、博士論文に関するコロキアムを次年度に実施する予定である。また、次年度において、日本では日本ラテンアメリカ学会(使用言語は日本語)で、また現地ではボリビアの国立民族学・民俗学博物館で開催される民族学の年次大会(使用言語はスペイン語)で、本年度の研究成果を部分的に報告することを予定している。