著者
西井 賢悟 小松 泰信 横溝 功
出版者
岡山大學農學部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.67-74, 2003-02
被引用文献数
1

1995年に岡山県南西部の総社市農協、真備町農協、山手村農協、清音村農協、そして吉備昭和農協の五農協の広域合併によって設立された吉備路農業協同組合(以下JAきびじと略す)管内のモモ共販を事例とし、次のような検討を行う。第一には、農協の広域合併にともない成立した産地の組織機構と各組織構成主体の概況・役割について明らかにする。第二には、当事例において合併後に行われた共販一元化の話し合いが決裂していることから、この状態を産地という組織がコンフリクト状態に陥ったと捉え、マーチ=サイモンの組織論、特に組織コンフリクト論を適用してその発生のメカニズムを明らかにする。そして第三には、共販一元化の話し合い決裂後に各出荷組合がとった行動をコンフリクトに対する適応行動と捉え、その行動の意味と産地における農協共販の展開方向について考察する。