著者
西山 絵里子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.572-578, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)
被引用文献数
1

沖縄県は,戦後から本土復帰前までの米軍統治下における琉球政府時代(1952年-1972年)の公文書約16万簿冊のデジタル化を平成25年度より進めており,デジタル化した資料画像をインターネット公開する事業を進めている。膨大な量の近現代公文書をデジタル化し,デジタル・アーカイブズシステムによりインターネットで公開する事例は日本国内で類を見ない。近現代の歴史資料のネット公開における課題は,個人情報や著作物等が含まれる資料をどのように取り扱うかという点であり,資料年度が新しい近現代の資料であるからこそその特徴は顕著に表れる。本稿では,平成27年度の資料公開で直面した課題整理とその対応方針,及び平成28年度の展望について記述する。
著者
西山 絵里子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.15-25, 2019-01-07 (Released:2019-02-18)
参考文献数
65

本稿は、沖縄戦以降の米国統治下において、沖縄に存在した統治機構である、琉球政府及びその前身組織により作成・取得された資料群(琉球政府文書)が、施政権返還、保存環境、保存場所等の課題を乗り越え、沖縄県公文書館で永久保存に至った経緯と、その後の資料を巡る動向について概観を試みるものである。当時の実務担当者の論考や記録等を中心に、①復帰前、②復帰後~沖縄県公文書館設置前、③沖縄県公文書館設置後の3つの時期における、琉球政府文書の保存・利用に係る経緯及び動向を整理した。これらの結果から、今後の可能性として、デジタルアーカイブ構築後の継続的な運用及び利活用推進に向けた取り組みの重要性や、次世代へのアプローチの視点を示唆した。
著者
西山 絵里子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.15-25, 2019

<p>本稿は、沖縄戦以降の米国統治下において、沖縄に存在した統治機構である、琉球政府及びその前身組織により作成・取得された資料群(琉球政府文書)が、施政権返還、保存環境、保存場所等の課題を乗り越え、沖縄県公文書館で永久保存に至った経緯と、その後の資料を巡る動向について概観を試みるものである。当時の実務担当者の論考や記録等を中心に、①復帰前、②復帰後~沖縄県公文書館設置前、③沖縄県公文書館設置後の3つの時期における、琉球政府文書の保存・利用に係る経緯及び動向を整理した。これらの結果から、今後の可能性として、デジタルアーカイブ構築後の継続的な運用及び利活用推進に向けた取り組みの重要性や、次世代へのアプローチの視点を示唆した。</p>