2 0 0 0 神獣白沢考

著者
西岡 弘
出版者
國學院短期大学
雑誌
國學院短期大学紀要 (ISSN:09185275)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.33-66, 1998-03-23
著者
進藤 達哉 西岡 弘晶
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.138-141, 2020-12-20 (Released:2020-12-29)
参考文献数
15

目的:セレン欠乏症は筋痛や筋力低下などで発見される報告が多いが,大球性貧血をきたすこともある.しかしその症例報告は少ない.在宅中心静脈栄養を受けている高齢患者に生じたセレン欠乏症による大球性貧血の症例を報告する.方法/結果:20年来のパーキンソン病のため寝たきりの89歳女性で,6年間在宅中心静脈栄養を受けていた.発熱で入院時,Hb 7.5 g/dL,MCV 131 fLと大球性貧血を認め,全血セレン 3.2 μg/dLと低値だった.セレン製剤を院内調剤し,セレン 100 μg/日の補充を行ったところ3ヶ月後にHb 9.7 g/dL,MCV 104 fL,全血セレン 5.5 μg/dLに改善し,セレン欠乏症による大球性貧血と診断した.結論:寝たきり高齢患者や認知症患者では筋痛などの症状を訴えられないことがあり,医療者はセレン欠乏症のリスクと症状に注意し早期発見と治療に努めることが大切である.
著者
西岡 弘晶
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

グラム陰性菌は、呼吸器、消化器、尿路、皮膚・軟部組織など、様々な部位に感染し疾病を引き起こし、その予防、治療は大変重要な課題である。グラム陰性病原細菌の多くは、宿主細胞へ接触すると、特殊な分泌機構を通じて、一群の分泌性機能蛋白質(エフェクターと呼ばれる)を宿主細胞質へ注入し、感染に必要な機能を誘導する。そこでグラム陰性菌の一つである赤痢菌から、感染に不可欠なエフェクター蛋白質を、ネイティブな形で精製する方法を確立し、そのエフェクター蛋白質どうし、あるいはエフェクター蛋白質と宿主因子の相互作用を明らかにすることを試みた。赤痢菌が宿主細胞へ感染する際に不可欠なエフェクター蛋白質は、IpaB、IpaC、IpaDと呼ばれる3つの蛋白質であり、IpaBとIpaCは複合体を形成することが知られているが、その詳細は明らかではない。本研究により精製したネイティブな形のIpaB/IpaC複合体は、安定した水溶性の複合体を形成しており、分子量はおよそ200kDで、IpaB : IpaC=1:3-5で結合していることが示唆された。またIpaB/IpaC複合体は、高度な二次構造を形成し、複合体を形成することで安定した構造をとることも示唆された。この複合体の形態は直径10-20nmの球状であり、電子顕微鏡でも可視できた。IpaB/IpaC複合体は、赤血球膜にコレステロール依存的に結合し、真核細胞形質膜にはコレステロール及びCD44依存的に結合した。その際IpaB/IpaC複合体は、リピッドラフトに存在した。またIpaB/lpaC複合体はリボゾームと結合し、小孔を形成した。同様にIpaD蛋白は35kDの蛋白として精製された。またIpaDの部分変異株の解析により、IpaB/IpaC複合体の真核細胞形質膜への挿入に、IpaDが関与していることを見出した。