著者
西川 功 合原 一幸
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第58回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.117, 2009 (Released:2009-10-22)

結合位相振動子系である蔵本モデルにおいて、素子数が有限の場合にはカオスが起こる[O. V. Popovych et al., 2005]。同様に、他の位相振動子、リミットサイクル振動子、カオス振動子のそれぞれの結合系においてもカオスが起こる。このように、結合振動子系におけるカオスは普遍的な現象である。 我々は、蔵本モデルにおけるカオスを調べる。同期現象の時刻tにおけるオーダーパラメータR(t)の時刻0からtまでの時間積分LR(t)は、区間[0, t]における同期の強さを表わす。LR(t)は拡散を示し、その拡散係数はクラスターの形成に伴いピークを持つことが分かった。
著者
永田 基樹 藤原 直哉 西川 功 田中 剛平 鈴木 秀幸 合原 一幸
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.295-299, 2013-05-01 (Released:2013-09-06)
参考文献数
16

東日本大震災以降,電力の安定供給は重要な課題として注目を集めている.安定性の理解のためには数理モデルの解析が必要であるが,詳細なモデルは数理的な解析が容易ではないため,現象の本質を抽出した簡潔なモデルが必要である.本研究では,東日本の送電網の接続関係を用いて,周波数同期のダイナミクスを位相モデルによって記述した.本モデルにおいて,安定供給のためには同期した定常状態の実現が必要であるが,そのための結合強度の閾値を求めた.また,周波数同期に寄与している送電線を特定し,同期への寄与の大きさについて考察した.
著者
柄沢 宏明 西川 功
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.163, pp.852-860, 1991-09-27
被引用文献数
3

広島県神石郡油木町宗兼に分布する備北層群神石累層下部(中期中新世初頭)より産したオキナワアナジャコThalassinia anomala(Herbst)を記載した。T. anomalaは現生種で, インド-西太平洋の熱帯地域のマングローブ沼生活者であり, その産出を中新世まで遡らせた。この種の産出は, 中期中新世初頭の西南日本の熱帯的古環境を支持する。