- 著者
-
河端 秀明
西川 正典
猪田 浩理
田中 章夫
柿原 直樹
多賀 千明
小東 睦
中村 光男
長谷川 知早
神田 英一郎
西村 暢子
中川 ゆかり
西谷 葉子
能勢 真梨子
浅野 耕太
佐久間 美和
藤村 恵子
- 出版者
- 日本緩和医療学会
- 雑誌
- Palliative Care Research (ISSN:18805302)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.1, pp.901-905, 2016 (Released:2016-01-27)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
1
1
当院では歯科医師が緩和ケアチーム(PCT)の一員として活動を共にしている.2009年から2014年までに当院PCTが介入したがん患者127例のうち,17例(13.3%)に口腔内の症状を認め,PCTで治療方針を検討した.口腔内の痛み,口腔乾燥,味覚異常,舌苔付着,唾液過多,食思不振,および開口障害に対し専門的治療を行い,全例に口腔内所見の改善が得られ,16例(94%)に症状の改善を認めた.歯科医師のPCT加入は介入患者の症状緩和に有効であり,チーム員の口腔に対する意識も向上した.またPCTによる口腔内観察は,患者のQOLの改善に寄与するだけでなく,医療スタッフの口腔への関心を高める効果も期待される.さらに多診療科連携を深めることにより,より質の高い緩和ケアを提供できるものと考える.