著者
猪田 浩理
出版者
京都第二赤十字病院
雑誌
京都第二赤十字病院医学雑誌 = Medical journal of Kyoto Second Red Cross Hospital (ISSN:03894908)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.11-17, 2012-12

組織再生技術の発達はめざましく,歯科口腔外科領域においては骨再生療法に関る研究が注目を浴びている.骨欠損部を修復するためには,骨移植,人工材料の使用が一般的である.骨再生療法の発達はリコンビナント技術と細胞培養技術の発達によってもたらされた.細胞増殖因子は細胞増殖と分化を誘導することで創部治癒を促進する能力を有している.特に骨形成タンパク(BMP)の存在,3 次元細胞培養の技術は臨床の場における骨再生療法の将来的な向上に寄与すると考えられる.今回は最近の骨再生療法の動向について報告を行う.
著者
河端 秀明 西川 正典 猪田 浩理 田中 章夫 柿原 直樹 多賀 千明 小東 睦 中村 光男 長谷川 知早 神田 英一郎 西村 暢子 中川 ゆかり 西谷 葉子 能勢 真梨子 浅野 耕太 佐久間 美和 藤村 恵子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.901-905, 2016 (Released:2016-01-27)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

当院では歯科医師が緩和ケアチーム(PCT)の一員として活動を共にしている.2009年から2014年までに当院PCTが介入したがん患者127例のうち,17例(13.3%)に口腔内の症状を認め,PCTで治療方針を検討した.口腔内の痛み,口腔乾燥,味覚異常,舌苔付着,唾液過多,食思不振,および開口障害に対し専門的治療を行い,全例に口腔内所見の改善が得られ,16例(94%)に症状の改善を認めた.歯科医師のPCT加入は介入患者の症状緩和に有効であり,チーム員の口腔に対する意識も向上した.またPCTによる口腔内観察は,患者のQOLの改善に寄与するだけでなく,医療スタッフの口腔への関心を高める効果も期待される.さらに多診療科連携を深めることにより,より質の高い緩和ケアを提供できるものと考える.