著者
西村 公伸 藤原 昴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.306, pp.11-16, 2008-11-13
参考文献数
7
被引用文献数
1

音楽の演奏で幅広く使用されている楽器にエレキギターがある.エレキギターは弦の振動を磁気変化としてピックアップコイルにより電気信号に変換し,アンプで増幅してスピーカーから音として放射する楽器である,したがって,各構成要素の振動が相互に関係しあって弦の振動にフィードバックされるとともに,ピックアップコイルにも影響しながら電気信号出力として取り出される.本研究は,この振動ピックアップコイル支持部の材質を取り替えることで振動の影響を制御し,ギターの音色を変化させることができないかの実験的試みである.具体的には支持部材を種々作成し,撥弦後における音の立ち上がり部分と,伸び部分のスペクトルエンベロープを比較して特性の変化を把握し,聴取実験の結果を対応させて材質による音質の変化の傾向を調査する.
著者
伊奈 龍慶 西村 公伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.286, pp.43-48, 2009-11-12
被引用文献数
2

これまでオーディオ用のインシュレータは種々開発・販売され,使用により音質が変化することは良く知られているが,その理由については解明されていないのが現状である.本研究では,円錐型スパイク形状のインシュレータを採り上げ,頂点から底面またその逆方向での振動伝達特性の理論的解明を試み,形状や材質が伝達特性に与える影響を検討する.さらに,電源部を持たないアンプなど振動発生が少ない信号系統での雑音低減を目指し,スパイクの形状と振動吸収法を検討した.実験的には数種類の樹脂材料を用いて円錐型スパイクを試作し,信号系統の雑音低減に有効な形状や材質を,音質と音像定位の改善の立場から比較検討した.また,同時に,併用する振動吸収剤の効果についても検討を重ねた.
著者
西村 公伸 伊奈 龍慶
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.285, pp.37-42, 2010-11-11
被引用文献数
1

オーディオ機器の音質改善の手法として円錐型のインシュレータが多く用いられ,効果を示している.本研究では,新たに指数関数型の広がりを持つインシュレータを開発し,その振動伝達特性の解析や実験的評価を行っている.理論的考察では,インシュレータ内の振動伝播特性の方向による違いを,ホーンスピーカの波動伝播特性の解析に基づいて求めている.また,試作インシュレータに対し伝播方向による振動伝達特性の違いを実験的にも確認している.さらに,音響機器に適用し,音像定位の改善や音質の改善について実験的に検討している.
著者
西村 公伸 牧野 浩佑 峰 辰則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.404, pp.1-6, 2005-11-11
被引用文献数
3

近年, ディジタル技術の高度化に伴い情報の高密度化が進んできたが, アナログ技術の観点からもディジタル技術の進歩に見合う高精度化が要求されると考える.本研究では, スピーカボックス, CDプレーヤ, アンプなどステレオ再生機器の機械的振動が, 再生音の音質や音像表現にどのように影響するかの関係解明を試みる.具体的には, 機械的振動の対策により機器振動の高調波成分の低減が観測され, 放射音や電気信号に含まれる高調波歪成分の低減にも寄与していることを確認している.さらに, 高調波歪の低減により再生音がどのように改善されるかを, 音質と音像表現力(定位と明確さ)についての試聴実験により検証している.
著者
喜多 雅英 西村 公伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMM, マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.291, pp.49-54, 2013-11-07

オーディオ機器音質改善手法の一つとして,既存の機器にオーディオインシュレータがしばしば用いられている.それ以外にも電源部分における流入ノイズの低減など数多くの手法が挙げられる.本報告では,オーディオ機器の電源ケーブルに対してポリエチレングリコールを主とした高分子材料を封入したチューブを巻きつけることでの再生音の雑音低減・音質改善する手法を提案し,その効果について実験的に検討している.特に信号再生時に雑音が増加する聴感的経験をもとに,オーディオ機器間のアース電位の差に着目して雑音抑制,物質の違いによる効果の差について調べるとともに,聴取実験により音像定位や音質改善との関係を検討した.
著者
西村 公伸 伊奈 龍慶
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.306, pp.43-48, 2011-11-11

これまで,オーディオ機器の音質改善手法の一つとしてインシュレーク,特に円錐型のものが多く用いられ,効果を示している.また,前報告では円錐型のインシュレータに加え,新たに指数関数型の広がりを持つインシュレータを提案し,その振動伝達特性の解析や実験的評価結果を報告した.本報告では,これらのインシュレータに高分子材料の水溶液を併用することによる再生音の雑音低減や音質改善などの効果の向上について,実験的に検討している.また,高分子材料の水溶液をディジタル音響機器などにも適用し,ディスクへのアクセス速度の改善などの実験的結果を得ているので報告する.
著者
西村 公伸 山中 雅喜 吉村 彦一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.454, pp.31-36, 2004-11-18
被引用文献数
4

オーディオ再生音による音像表現や音質は、再生装置を構成する種々の音響機器・コード類さらに信号源となるCDやD/A変換などで生じるジッタの影響など種種雑多な要因により、高度な音響情報・感性情報が失われ、録音時の音源や周囲状況の再現力が大き変化することが報告されている。本報告は、こうした報告の再確認となる面もあるが、部屋の吸音状況、スピーカの振動処理方法、信号伝送ケーブルの差異など、音響システムの改善に用いられている手法のいくつかに焦点を当て、物理的特性の変化と聴取実験との比較により、音像表現の変化や音質の変化の傾向について、実験的に調べている。特に、標準ステレオ再生において、3次元的な音像定位に影響する要因について実験的に確認している。