著者
村上 優 杠 岳文 比江島 誠人 遠藤 光一 西村 直之
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.206-211, 2000-05-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
9

薬物依存の専門医療機関の必要性は国の政策医療として取り上げられるところであるが, 現在では国立に専門病棟が1ヵ所で, アルコールとの併用を入れると国立には2ヵ所, 公立で3ヵ所, 民間を入れても10ヵ所にも満たないのが実情である. 医療的には薬物依存もアルコール依存の治療システムの延長線上に位置していると考えられるにもかかわらず, これまでその特殊性が強調される傾向にあった. 肥前療養所においてアルコール依存の治療システムに追加する形で薬物依存の治療を検討し, 薬物依存リハビリテーションプログラムDRPをアルコール病棟に併設した. そうすれば薬物依存への専門治療を担いうる施設は飛躍的に増加することが期待できるからである. この際に薬物依存治療における思春期心性への配慮と, 処罰モデルから治療モデルへの移行(ダイバージョン), 自助グループの重要性を強調した.