著者
西東 力 片山 晴喜 杉山 恵太郎
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.50, pp.147-150, 2003-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
9

Of 35 species of ornamental plants and vegetables tested, 30 species were attacked by the banded greenhouse thrips, Hercinothrips femoralis, under laboratory conditions. Of these, dumb cane (Dieffenbachia sp.), beach lily (Crinum asiaticum var. japonica), turmeric (Curcuma longa), plantain lily (Hosta sp.), prairie gentian (Eustoma grandiflorum), common cockscomb (Celosia argentea), pink (Dianthus hybridus), brazilian skyflower (Duranta repens), sultan snapweed (Impatiens wallerana), cucumber (Cucumis sativus), egg plant (Solanum melongena), kidney bean (Phaseolus vulgaris) were most susceptible to damage by the thrips. Malathion 50EC, acephate 50WP and 5G, etofenprox 20EC, spinosad 25SG, emamectin-benzoate 1EC, methidathion 40EC and nitenpyram 10G gave 100% control of the thrips in a glasshouse test.
著者
西東 力 鈴木 誠
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.232-236, 1982-11-25
被引用文献数
2 9

1980∼1981年に静岡県伊豆地方でツバキシギゾウムシの生活史を調査した。成虫は5月下旬から7月下旬まで観察され,6月にツバキ種子内に産卵した。ふ化幼虫は種子を摂食し,約1ヵ月で4齢まで発育した。7月下旬から老熟幼虫は果実に穴をあけて脱出し,ツバキ樹下の土中で幼虫越冬した。<br>本種は伊豆半島の東部と南部で多発生していた。<br>幼虫は昆虫病原糸状菌<i>Metarhizium anisopliae</i>および<i>Beauveria tenella</i>に対して高い感受性を示した。土壌殺菌の有無は菌の病原性に影響を及ぼさず,いずれの菌も土中で増殖することが示唆された。以上のことから,これらの菌を土壌施用することによってツバキシギゾウムシの微生物的防除ができるものと考えられる。
著者
西東 力
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.38, pp.207-208, 1991-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
11

Light-colored forms were produced at higher temperatures and dark-colored forms were produced at lower temperatures in a clone of A. gossypii isolated from melon. These color forms in the clone or a population of melon did not have difference of aliesterase activity, associating with organophosphorus resistance.
著者
西東 力 鈴木 誠
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.232-236, 1982-11-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
11
被引用文献数
11 9

1980∼1981年に静岡県伊豆地方でツバキシギゾウムシの生活史を調査した。成虫は5月下旬から7月下旬まで観察され,6月にツバキ種子内に産卵した。ふ化幼虫は種子を摂食し,約1ヵ月で4齢まで発育した。7月下旬から老熟幼虫は果実に穴をあけて脱出し,ツバキ樹下の土中で幼虫越冬した。本種は伊豆半島の東部と南部で多発生していた。幼虫は昆虫病原糸状菌Metarhizium anisopliaeおよびBeauveria tenellaに対して高い感受性を示した。土壌殺菌の有無は菌の病原性に影響を及ぼさず,いずれの菌も土中で増殖することが示唆された。以上のことから,これらの菌を土壌施用することによってツバキシギゾウムシの微生物的防除ができるものと考えられる。
著者
西東 力 池田 二三高 小澤 朗人
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.127-133, 1996-05-25
被引用文献数
12 37

マメハモグリバエの生物的防除法を開発する一環として静岡県における寄生バチの発生実態を調査し,あわせて各種殺虫剤の散布が寄生バチに与える影響を圃場試験で検討した。<br>1) マメハモグリバエの寄生バチは各地の露地および施設栽培圃場から採集されたが,殺虫剤の散布後まもない圃場からはほとんど採集されなかった。<br>2) マメハモグリバエの寄生バチとして,コマユバチ科で3種,コバチ上科で13種(ヒメコバチ科9種;コガネコバチ科2種;ツヤヤドリタマバチ科1種;ツヤコバチ科1種)の合計16種が確認された。<br>3) ヒメコバチ科に属する<i>Hemiptarsenus varicornis, Chrysocharis pentheus, Neochrysocharis okazakii</i>および<i>N. formosa</i>の4種は各地から広く採集され,これら寄生バチが優占種となっている圃場も多かった。施設栽培では<i>H. varicornis</i>が年間を通して採集され,最も重要な寄生バチとなっていた。<br>4) 非選択的殺虫剤(permethrin, ethofenprox, methomyl, prothiofos)を散布すると寄生バチの寄生率は著しく低下し,その後マメハモグリバエが多発した。一方,選択的殺虫剤(fenpyroximate, dicofol, fenbutatin oxide, pyridaben, buprofezin, flufenoxurone)を散布した場合は寄生バチの寄生率が低下せず,その後マメハモグリバエは減少傾向を示した。
著者
小澤 朗人 西東 力 太田 光昭
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.161-168, 1999-11-25
被引用文献数
5 16

施設トマトのマメハモグリバエに対するイサエアヒメコバチ<i>Diglyphus isaea</i>の単独放飼による密度抑制効果を小規模な温室を用いて検討した.試験は,2月から5月の春期(試験1)と5月から7月の初夏期(試験2),6月から8月の夏期(試験3)の3回行い,試験3では細かな目合いの防虫網を張って隔離条件とした.<br>1. 試験1では,寄生蜂の雌成虫0.13頭/株を1週間間隔で5回放飼した.同様に試験2では0.19頭/株を8回,試験3では0.15頭/株を3回放飼した.<br>2. その結果,寄生蜂放飼区におけるマメハモグリバエ幼虫密度は,無放飼区と比較して,試験1では約1/4,試験2では1/36,試験3では約1/10に抑制された.<br>3. 放飼区におけるマメハモグリバエ幼虫の死亡率は,試験1では90.9%,試験2では98.4%に,試験3では100%に達した.<br>4. 放飼区における空の潜孔密度は,試験1では無放飼区の約1/6以下の1.3個/葉,試験2では約1/16の2.2個/葉,試験3では約1/6の3.4個/葉であった.<br>5. 放飼区における蛹トレイへの落下蛹の総数は,試験1では無放飼区の約1/10,試験2では約1/200であった.また,試験3における黄色粘着トラップへのマメハモグリバエ成虫の誘殺数は,放飼区は無放飼区の約1/20であった.<br>6. 寄生蜂の種類とその寄生率は,試験1ではイサエアヒメコバチのみが確認され,その寄生率は放飼区では86.5∼92.3%,無放飼区では0∼2.1%であった.試験2では,イサエアヒメコバチ以外の土着種が優占種となり,イサエアヒメコバチを含めたこれらの寄生率は38.9∼86.7%であった.一方,無放飼区は0%であった.試験3では,イサエアヒメコバチのみが確認され,7月下旬の放飼区の寄生率は95.1%,無放飼区は88.2%であった.<br>7. 以上から,春から夏にかけての高温期における施設トマトのマメハモグリバエに対するイサエアヒメコバチの実用性は高いことが示唆された.