著者
原田 清美 西田 直子 北原 照代
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.164-173, 2015-08-20 (Released:2016-04-26)
参考文献数
20
被引用文献数
1

本研究の目的は,看護師の看護作業による腰痛への効果的な予防対策を講じるために,腰痛の有無と看護作業との関連を明らかにすることである. 平成24年10月に,A大学病院に勤務する看護師320人を対象とし,無記名自記式質問紙調査を実施した. 調査項目は,腰痛の状況,身体的につらい看護作業,移乗・移動介助方法など計32項目である.腰痛の有無別,ベッドから車椅子への移乗,体位変換やベッド上での移動介助方法の比較には,フィッシャーの直接確率検定を用いた. その結果, 「現在腰痛がある」 と回答した看護師は144人 (54.3%) であった.腰痛あり群は,なし群にくらべ,多くの看護作業が身体的につらいと感じていた.腰痛あり群は,移乗および移動介助を 「一人で実施している」 と回答した割合が高く,移動介助では有意な差を認めた (P =0.012).また両群ともに 「道具を使う」 と回答した看護師の割合は低かった.これらのことにより,移乗・移動介助を一人で行わないことや道具を活用するなどの腰痛予防対策を取り組む必要性が示唆された.
著者
中嶋 啓雄 蔭山 典男 沢井 清司 藤原 郁也 水田 成彦 阪口 晃一 鉢嶺 泰司 西田 直子
出版者
日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.38-43, 2007
被引用文献数
4

京都府でも視触診・マンモグラフィ併用乳癌検診が行われているが, その受診率は低いのが現状である。検診の効果により乳癌の死亡率低下を得るためには, 受診率向上が必須である。われわれはピンクリボン京都実行委員会を組織し, 「2010年までに京都のマンモグラフィ検診受診率を50%にする」を目標に掲げ, 2006年10月1日から11月12日までキャンペーン活動を行った。具体的な活動は, 以下の6点である。<br>1) 無料乳癌検診の実施。<br>2) 乳癌検診を呼びかける啓発ツールの作成, 配布, 掲出。<br>3) 各メディアと協力し, 啓発メッセージの発信。<br>4) 京都市内の商業施設 (新風館) と連携し, 啓発パネル・ツールの配布, 無料検診・公開講座の開催。<br>5) 京都学生祭典と連携, 啓発ツールを配布。<br>6) ウィングス京都において, ピンクリボンシンポジウムを開催。<br>これら6つの企画のいずれもが予想以上の反響を呼び, キャンペーン期間中, 多数の検診受診者・参加者が集まり, 非常に効率的かつ有効であった。今後も受診率50%を目標に, 本活動を継続していく予定である。