著者
田口 哲也 阪口 晃一
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

カペシタビン(CAP)誘発の手足症候群(HFS)を予防可能な皮膚外用剤の開発を試みた。HFSの主原因であるCAP代謝産物の5FUと5FU代謝産物の産生をブロック可能なウラシル3%含有の軟膏(UO)を作製し、第I相試験でその安全性と血中移行性の無いことを確認した。次に3%ウラシル軟膏の第II相試験を実施し、結果、グレード2以上のHFSが起こる頻度は第2コースと第3コースでそれぞれ35.3%と50%とCAPの国内開発治験における75.3%より低頻度であった。このようにUO塗布によりCAP誘発HFSの発現を予防できる可能性が示唆されたが、今後第Ⅲ相比較試験により証明することが必要である。
著者
中嶋 啓雄 蔭山 典男 沢井 清司 藤原 郁也 水田 成彦 阪口 晃一 鉢嶺 泰司 西田 直子
出版者
日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.38-43, 2007
被引用文献数
4

京都府でも視触診・マンモグラフィ併用乳癌検診が行われているが, その受診率は低いのが現状である。検診の効果により乳癌の死亡率低下を得るためには, 受診率向上が必須である。われわれはピンクリボン京都実行委員会を組織し, 「2010年までに京都のマンモグラフィ検診受診率を50%にする」を目標に掲げ, 2006年10月1日から11月12日までキャンペーン活動を行った。具体的な活動は, 以下の6点である。<br>1) 無料乳癌検診の実施。<br>2) 乳癌検診を呼びかける啓発ツールの作成, 配布, 掲出。<br>3) 各メディアと協力し, 啓発メッセージの発信。<br>4) 京都市内の商業施設 (新風館) と連携し, 啓発パネル・ツールの配布, 無料検診・公開講座の開催。<br>5) 京都学生祭典と連携, 啓発ツールを配布。<br>6) ウィングス京都において, ピンクリボンシンポジウムを開催。<br>これら6つの企画のいずれもが予想以上の反響を呼び, キャンペーン期間中, 多数の検診受診者・参加者が集まり, 非常に効率的かつ有効であった。今後も受診率50%を目標に, 本活動を継続していく予定である。