著者
吉田 博 草場 信秀 角野 通弘 佐田 通夫
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.563-566, 2000-07-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
18

猫ひっかき病 (CSD) 20例のBartonella henselae IgG型抗体及びIgM型抗体を酵素抗体法 (EIA) で測定した. B. henselae IgG型抗体はCSD20例中8例 (40%) が陽性であり, IgM型抗体は20例中5例 (25%) であった. IgG型抗体またはIgM型の一方が陽性を示したのは11例, 両者が陽性を示したのは1例で, 合計するとCSD20例中12例 (60%) がB. henselaeに対する抗体が陽性であった. IgG型抗体陽性例の平均年齢はIgM型抗体陽性例の平均年齢より有意に高かった. IgM型抗体は発症後4週から12週に陰性化した. IgG型抗体は2例が3週から8週後に陰性化し, 2例は一過性に低下し再上昇した. 2例は急性期より高値を示した. CSDにおけるB. henselae抗体は経時的に様々な変動がみられた.