著者
谷口 明展 香川 大輔 浦邉 啓太 賀嶋 直隆 永井 由佳 西村 由美
出版者
一般社団法人 日本在宅薬学会
雑誌
在宅薬学 (ISSN:2188658X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.57-61, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
12

超高齢化社会となり,認知症高齢者数も増加している.認知症患者の服薬管理は困難を要することがあり,MMSE のスコアによっては適切な服薬支援でないと服薬できないことも多くあるためMMSE を活用した薬剤師による在宅服薬支援によって服用率が改善した3 症例を報告する.症例1 では,MMSE 26点でありお薬カレンダーによる自己管理と,ヘルパーによる声掛けによる在宅服薬支援の結果,服用率が7%向上した.症例2 では,MMSE 21 点でありお薬カレンダーと家族による電話による服薬刺激,薬剤師とヘルパーによる配薬と声掛けという服薬支援により服用率が4.8%向上した.症例3 では,MMSE 23 点であり,ヘルパー協力のもとお薬カレンダー利用により服用率が2.3%向上した,薬剤師により在宅の認知症患者への服薬支援最適化のためMMSE を活用することは服用率改善に効果が期待できると考えられる.