著者
中村 絵美 髙見 貴之 加藤 頼子 吉田 葉子 谷口 暢
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.100-106, 2016 (Released:2016-07-29)
参考文献数
15

医療施設における環境由来による微生物の感染予防には,手指衛生に加えて環境表面の清掃が非常に重要であり,時として消毒も必要となる.近年,病院環境の整備に,洗浄剤や消毒薬(薬液)を不織布等のクロスに含浸させた環境清拭用クロスが頻用されている.しかし,環境清拭用クロスには,薬液中の成分がクロスに吸着し成分濃度が低下する場合があるにもかかわらず,その殺菌性能の評価の多くは,クロスに含浸させようとする薬液を微生物に作用させる方法が実施されている.そこで,3種類の市販品(市販品A, BとC)と消毒用エタノールクロスについて(1)クロスからの絞り液と供試微生物を作用させるクロス含浸後定量的懸濁法と(2)環境清拭用クロスを直接利用した清拭法によって殺菌効果およびウイルス不活化効果を検討した.その結果,市販品Aは,市販品BおよびCと比較してクロス含浸後定量的懸濁法と清拭法ともに高い殺菌効果およびウイルス不活化効果を示した.さらに市販品Aは,消毒用エタノールクロスと比較しても,清拭法において高いウイルス不活化効果を示した.また,市販品B,Cおよび消毒用エタノールクロスでは,クロス含浸後定量的懸濁法と清拭法で結果に明確な差が認められた.そのため,環境清拭用クロスの有効性評価には,クロス含浸後定量的懸濁法による評価に加えて,実際の環境整備を想定した清拭法も評価法として重要と考えられた.
著者
杉原 英雄 谷口 暢子 上原 伸基 臼井 勝久 内田 博之
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.27, 2016

<br>防府市クリーンセンターは、一般廃棄物を焼却処理するごみ焼却施設にメタン発酵処理するバイオガス化施設を併設した「ごみ焼却・バイオガス化複合施設」である。混合収集されたごみを機械選別し、隣接施設から受入れた下水、し尿汚泥と混合してメタン発酵を行い、得られたバイオガスを用いて高効率なごみ焼却発電を実現している。<br>2014年4月から商用運転を開始し、これまで安定的な処理を継続しているが、日常運転の中では複合施設特有の問題が発生することがあるため、都度対策を講じ解消することで、より効率的な運用を図っている。本稿では、バイオガス化施設から排出される発酵残渣の焼却処理に関する改善事例について報告する。