著者
中谷 亮介 満田 正樹 谷川 直人 早田 修平 松本 篤
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.132-138, 2020-06-30 (Released:2020-06-30)
参考文献数
5

今回,院内急変時における救急カート未配置・不足薬剤の対応および血液ガス分析の迅速化を目的に,急変時追加薬剤バッグの運用と臨床検査技師の介入を開始した。薬剤師による急変時追加薬剤バッグの運用により,院内急変の全症例に薬剤師は関与することができ,救急カート未配置・不足薬剤の対応も可能となった。医師,看護師は院内急変対応に臨床検査技師が必要であると考えており,臨床検査技師による介入開始後では院内急変発生から血液ガス分析開始までに要する時間が18.9±6.9分から12.7±5.2分に有意に短縮された。今後も多職種で連携しながら院内急変に対応していきたいと考える。
著者
中山 智英 長谷川 直人 小西 和哉 阿部島 滋樹 市村 龍之助 金古 裕之
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.2101-2104, 2006-09-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
15

症例は3歳,男児. 2005年8月6日午後7時20分,自宅で玩具にて遊んでいる際,単5乾電池2個にて動いていた玩具の電池カバーがはずれており,そのうち1個を飲み込んだのを母親が目撃した.同日7時30分に当院救急外来を受診.救急外来到着時,呼吸苦や腹部症状はみられなかったが,腹部単純X線写真にて上腹部に誤飲した乾電池と思われる1×3cm大の陰影を確認.母親からの病歴聴取とあわせ乾電池の誤飲と診断した.透視下造影検査を行ったところ上部小腸まで乾電池が進んでいたため,緊急手術を施行した.下腹部正中切開にて開腹し,直視下に小腸まで進んでいた乾電池を確認.用手的に回盲部まで進め,虫垂切除術を施行し,虫垂切除断端より乾電池を摘出した.小児の筒型乾電池誤飲症例は報告が少なく,治療法も確立されていない.われわれは小児の筒型乾電池誤飲症例に対し,虫垂切除術を施行し摘出しえた1例を経験したので報告する.