著者
浅井 友詞 野々垣 嘉男 谷田 武喜 水口 静子 石田 和人 堀場 充哉 和田 郁雄 水谷 武彦 水谷 陽子
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.191-195, 1996-05-31
被引用文献数
2

大腿四頭筋部における超音波断層法(以下US法)の最適測定部位および有用性について検討した。方法は,患肢,健肢に対してコンピュータ制御式筋力測定装置により等速性膝伸展最大筋力,超音波断層装置により膝蓋骨上縁5,10,15,20,25cm位の筋肉厚およびコンピュータトモグラフィーにより筋断面積を求めた。結果,筋力と筋肉厚の間には10,15cm位で有意な相関がみられ,筋断面積と筋肉厚の間には10cm位に有意な相関がみられた。したがって,US法の最適測定部位は10,15cm位と思われた。また,臨床の場において筋力の発生には,心理的要因,神経的要因が関与するため,筋の絶対筋力を計測することは困難である。そこでUS法は,筋力,筋断面積を反映し,筋の萎縮あるいは筋の回復を推察するために有用であると考えられた。