著者
豊田 さくら 石川 健介
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PD-030, 2021 (Released:2022-03-30)

本研究の目的は,猫動画・画像を視聴することによるストレス緩和効果,気分状態改善効果について検討することであった。「猫動画の視聴(動画群)」,「猫画像の視聴(画像群)」,「安静状態の保持(統制群)」の3つの視聴条件を設定した。動画群では猫の動画が提示され,画像群では猫の画像が提示された。統制群では,猫動画も猫動画も提示をしなかった。3(群)×2(測定段階)の分散分析を行った。測定段階の主効果は,全て群において「緊張」と「怒り」と「疲労」の得点で有意であった。群の主効果および群と測定段階の交互作用は,全ての項目で有意でなかった。以上より,全ての視聴条件によって「緊張」「怒り」「疲労」の気分の状態が変化したことがわかる。しかし,猫動画・画像を視聴することによって得られる特別な効果は示されなかったといえる。