著者
豊田 真智子 櫻井 保志 石川 佳治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.1058-1070, 2011-07-01
被引用文献数
1

本論文では,データストリームにおけるcross-similarityの問題を定義する.本論文の目的は,データストリームから類似する部分シーケンスペアを検出することである.シーケンス間の類似度を測定する距離尺度には,時間軸上でのスケーリングを考慮することができるダイナミックタイムワーピング(DTW:Dynamic Time Warping)距離を利用する.我々の提案するCrossMatchは,厳密にDTWに基づいた手法であり,データストリーム処理に適したワンパスアルゴリズムである.DTWを用いた純粋なアルゴリズムと比べて,CrossMatchは計算コストとメモリ使用量の大幅な低減化を実現する.理論的な分析を行い,提案アルゴリズムが精度を犠牲にすることなく類似する部分シーケンスペアを検出することを示す.また,実データと人工データを用いた実験から,CrossMatchがインクリメンタルにcross-similarityを検出することが確認された.
著者
豊田 真智子 山口 実靖 小口 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.239-244, 2005-07-07

ストレージ管理コストを低下させるためにSANが登場し, その実績は高い評価を得ている.近年ではブロードバンドネットワーク技術の発展により, 既存のネットワークインフラを利用して構築可能なIP-SANが次世代SANとして注目を集めている.その代表的技術であるiSCSIプロトコルを用いることで, 専用回線を用いることなく, TCP/IPネットワーク上で遠隔ストレージへのアクセスが可能となるため, iSCSIへの期待は大きい.しかし一方で, 登場してから間もない新しい技術であるため, 性能に関する課題を残している.本稿では, iSCSIが利用される想定として複数のサーバからストレージにアクセスする環境を取り上げる.また, より詳細な評価を行うために送信バッファサイズを変更し, 各環境において, 最大4台のサーバからiSCSIを用いたストレージアクセスを行い, TCPパラメータである輻輳ウィンドウとスループットの測定を行う.さらに, 実験結果から複数サーバがストレージにアクセスを行った場合に確認される影響についての考察を行う.