著者
磯村美友 熊谷菜津美 村瀬勉 小口正人
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.475-476, 2013-03-06

近年、モバイルルータやテザリングなどを用いたパーソナルな移動無線LANシステムが利用される機会が増えている。人間と一緒に移動する移動無線LANは、会議などの場合、1カ所に多くの無線LANが集中するというケースが発生する。そのような場合、無線LAN電波の影響が互いの無線LANのスループットなどのQoSを低下させる恐れがある。特に、多くの無線LANが近接すると、近隣のチャネルを使わざるを得なくなるため干渉による大きな影響が想定される。さらに、同じチャネルを共有せざるを得なくなる無線LAN同士が帯域を取り合い競合するため、ますますQoSが劣化してしまう。このような、QoS低下のメカニズムの解明と基本的なQoSを実機を用いて定量的評価を行った。
著者
松本 茉倫 小口 正人
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2124論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.712-719, 2020-06-17

スマートフォンを始めとする,IoT デバイスで取得したセンサデータを活用するためにクラウドサービスを利用した統計分析が普及している.IoT デバイスで取得したセンサデータの中には,位置情報などの秘匿性が高いデータが存在しており,必ずしも安全とは言えないクラウドサービス上では情報漏洩に備えて,個人情報を保護する必要がある.そこで,暗号文同士の加算・乗算が可能な完全準同型暗号が注目されている.しかし,一般的に共通鍵暗号よりも公開鍵暗号は低速であり,公開鍵暗号である完全準同型暗号は処理時間がかかるため,計算能力の低い IoT デバイス上での実装が課題である.本研究では,低速な公開鍵暗号を高速に利用することを目的として,高速な共通鍵暗号と鍵共有が容易な公開鍵暗号を組み合わせたハイブリッド暗号を応用し,共通鍵暗号と完全準同型暗号を組み合わせた暗号化を IoT デバイスにおいて提案・実装する.
著者
于 卉 大和田 泰伯 小口 正人
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.241-242, 2019-02-28

インターネットとスマートフォンの急速的な普及に伴い,その関連技術とアプリケーションが現代人の生活の一部分になった.地震等の自然災害が起きた際に,被災地のインターネットインフラが断片的に壊れることにより,ネットワークが通信不能になり,インターネットの高依存のアプリケーションが使えなくなる可能性がある.しかし,災害の関連情報や避難情報や生活支援情報等の情報を被災者に伝達することが必要である.本研究はインターネット非接続の条件下,断片化のネットワークを利用し,XMPP を用いて災害時の分散臨時SNSシステムの構築を目標として,管理者の管理手段を検討する.
著者
三木 香央理 山口 実靖 小口 正人
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-8, 2010-07-27

近年,スマートフォン市場の成長に伴い,携帯端末で動作する組込み機器のソフトウェアプラットホームとして Google 社開発の Android が注目されている.アプリケーション開発や柔軟な拡張性において注目度の高い Android 携帯に対し,本研究ではそのサービス提供を可能にしたシステムプラットホームとしての Android に焦点を当て,特にそのネットワーク能力およびネットワークコンピューティング能力について評価する.本論文では Android のソースコードを x86 系 CPU 搭載 PC 上で動かし,その無線ネットワークにおける通信能力について解析し,そのトランスポート層を最適化することで,より高性能な通信を目指す.In reccent years, with the rapid growth of smart phone market, Android is drawing an attention as software platform of embedded system on personal digital assistant developed by Google. While Android is taken notice for flexible development of application software and expansion of the system, we are interested in Android as a system platform, and in particular, we aim to optimize and evaluate performance of network computing ability. We have evaluated detailed behavior of Android on x86CPU personal compuper in the wireless LAN environment, and we have optimized Transport layer and we aim to achieve higher performance of network communications.
著者
山口 実靖 小口 正人 喜連川 研優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.72, pp.447-454, 2004-07-14

本稿ではiSCIを用いたIP-SANのアクセストレースシステムの提案と それを用いた性能向上に関する考察について述べる.FC-SANの欠陥を補うSANとしてTCP/IPとEthernetを用いるIP-SANやiSCSIが期待を集めるようになっているが,IP-SANの欠点としては性能がFC-SANより劣るとの指摘もありIP-SANの性能向上の実現が重要であると考えられている.iSCSIを用いたIP-SANシステムではサーバ計算機とストレージ機器が孤立に個別のOS等で稼動し,それらがTCI/IPネットワークを用いて通信を行い強調して動作し全体のシステムを構築することとなる.よって,これらの統合的な解析の実現が重要である.本稿では,我々の実装した統合的なトレースシステムについて説明を行い,それを実際に高遅延環境における並列iSCSIアクセスに適用し性能制限原因の発見および発見された問題の解決により並列iSCSIアクセスの性能を向上させられることを示す.In this paper, we propose an IP-SAN access trace system and present performance improvement using the system. IP-SAN and iSCSI are expected to remedy problems of FC-based SAN. In IP-SAN systems using iSCSI, service and storage work cooperatively by communicating with each other via TCP/IP, thus integrated analysis of servers and storage can be considered important. We explain our integrated trace system and show that the system can point out the cause of performance degradation.
著者
安井 隆宏 田村 孝之 小口 正人 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.203, pp.79-84, 1999-07-23

分散メモリ型並列データベースシステムは, スケーラビリティに優れており, 近年の大規模化しつつあるデータベース処理に非常に適しているといえる。しかしながら, ノード数が増えると, ノード間の負荷に偏りが生じ易くなる。この問題を解決するために, 我々は, ライトディープハッシュ多重結合演算の結合演算フェーズにプロセッサ間でハッシュラインの移動を行い負荷の均等化を行う動的負荷分散アルゴリズムを提案し, PC 100台をATMスイッチで結合したPCクラスタシステムを用い, 30ノード規模での実験と検討を行って来た。今回, 我々は処理ノード数の増大に対し問題となる主記憶の制限を緩和すべく, ハッシュテーブル及びマイグレーションテーブルを動的に再構築する機構を導入した。本稿では, 実験結果から本動的負荷分散手法の100ノード規模の環境における有効性を示す。
著者
豊田 真智子 山口 実靖 小口 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.239-244, 2005-07-07

ストレージ管理コストを低下させるためにSANが登場し, その実績は高い評価を得ている.近年ではブロードバンドネットワーク技術の発展により, 既存のネットワークインフラを利用して構築可能なIP-SANが次世代SANとして注目を集めている.その代表的技術であるiSCSIプロトコルを用いることで, 専用回線を用いることなく, TCP/IPネットワーク上で遠隔ストレージへのアクセスが可能となるため, iSCSIへの期待は大きい.しかし一方で, 登場してから間もない新しい技術であるため, 性能に関する課題を残している.本稿では, iSCSIが利用される想定として複数のサーバからストレージにアクセスする環境を取り上げる.また, より詳細な評価を行うために送信バッファサイズを変更し, 各環境において, 最大4台のサーバからiSCSIを用いたストレージアクセスを行い, TCPパラメータである輻輳ウィンドウとスループットの測定を行う.さらに, 実験結果から複数サーバがストレージにアクセスを行った場合に確認される影響についての考察を行う.