著者
湯淺 太一 貴島 寿郎 小西 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.200-209, 1995-02-25
被引用文献数
10

NCXは,超並列計算実用化のための重要な計算モデルの一つであるデータ並列に基づくプログラミングのために設計された拡張C言語である.C言語からの移行が容易であること,効率の良い処理系が低コストで実現できこと,統一のとれた言語であること,などを目指して設計された.フルセットのC言語を実行する能力をもつ仮想プロセッサ群を基本とし,プロセッサ間通信などのデータ並列計算機能を,ベースとなるC言語の設計方針にできるだけ従って設計されている.さまざまなアーキテクチャ上で使用されることを前提としており,実際にいくつかの異なるアーキテクチャをターゲットとした処理系の開発が現在進められている.本論文では,NCXの主要な拡張機能を,プログラム例と共に概説し,仮想プロセッサという単純明解な概念を基本としながら,データ並列計算に十分な機能をNCXが提供できることを示した.