著者
赤司 英一郎
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

十九世紀末から二十世紀初めにかけてのハプスブルク帝国における「部屋」のトポスについて研究することで、この多民族国家において他者からの分離と孤立の度を深めていった人々および個人にとっての心理的避難所として機能した「部屋」のはたらきを明確にするとともに、そのような内部としての「部屋」と外部にいる他者との関係をあらたに見直し、その当時に表された作品と作者と社会とをむすぶ糸について新しい見解を提示した。