著者
峰松 恵里 赤星 琴美 村嶋 幸代
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.334-343, 2021 (Released:2021-10-29)
参考文献数
27
被引用文献数
2

目的:運転免許の自主返納者を対象に,返納理由や現在の外出状況と車の代替手段,健康状態,車のない生活の受け止めを明らかにする.方法:公共交通の少ない地域に居住する75歳以上の返納者13名に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.結果:免許返納理由は,《認知症・認知機能低下》,《身体機能低下》,《事故予防》の3タイプにわけられた.車の代替手段は,〈買い物〉〈通院〉は確保されていたが,〈農業〉〈娯楽〉〈交友〉では,確保できない者もいた.車のない生活を受け入れて満足している者もいれば,身体機能低下や閉じこもりという健康課題が生じた者もいた.結論:解決策として,個人レジリエンスを高めるためには,〈農業〉への移動手段として限定条件付免許の導入等が必要だと考えられる.また地域レジリエンス強化の観点から,移動支援サービス等の在り方を検討する必要があろう.
著者
赤星 琴美 赤星 哲也
出版者
別府溝部学園短期大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究ではインターネット対応型携帯電話による情報提供を行う【子育て支援携帯ネット】の「メール配信自動化システム」および「携帯電話への配信メール画面」「携帯電話向けWebサイト情報内容」について検討を行った。0〜3歳児を持つ母親を対象にシステムのプレゼンテーションとデモを行い、メール配信自動化システム、携帯電話への配信メール画面、携帯電話向けWebサイト情報内容の3項目にわたる情報収集を行った。<Webサイトを利用した予防接種保健情報の提供の有効性>場所、時間の制約を受けず情報の入手できるということ、いつでも好きな時間帯に内容を読むことができるという評価を得た。個別に情報を提供することにより、個人レベルで予防接種時期などが把握でき、予防接種に関する情報がタイムリーに携帯電話のメールに届くことにより、適切な対処行動がとれるようになると思われる。<行政サービスとしての役割>【子育て支援携帯ネット】は、子育て中の母親に対して、コミュニケーション不足を解消し、さらに、予防接種に関する知識を手に入れるツールとして有効である。より有意義なWebサイトにするには身近な地域情報の提供も欠かせない。今後も多くの方の要望に対応できるよう、更なる内容の充実、システムの自動化を図っていきたいと考えている。予防接種に対する過度な不安や不適切な情報の氾濫は保護者に混乱を招き、その結果、接種率低下を招いていると考えられる現在、定期的に電子メールを配信し、適切な情報を提供するという新しい形での育児支援は有効な手段である。