著者
栗栖 薫子 三浦 聡 小川 裕子 政所 大輔 赤星 聖 宇治 梓紗
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

近年、グロ―バル・ガバナンス(GG)構造の複雑性が増している。国連気候変動枠組み条約の下で排出権取引に関わる様々な実施枠組みが普及し、企業のサステナビリティやESG投資に関わる取組が林立し、持続可能な開発目標(SDGs)の実施に関わる取組は全体像の把握が難しいほどである。この構造の複雑性は、①問題領域の複雑化、②ガバナンスの手段の多様化、③アクターの多様化(権威の多元化)という3次元での「密度」の増加によって特色づけられる。本研究はSDGsにかかわる主要な問題領域(気候変動、人道、難民、保健等)を事例として「GGの複雑化とアクターとの間にどのような相互作用が見られるか」という問いに取り組む。
著者
山田 高敬 赤星 聖
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

2021年度の主な研究実績は、以下の2点である。一つは、2020年5月にベルリン自由大学の研究チームと共同でオンライン開催した会議の際に提出した論文を加筆修正した。もう一つは、2022年3月に開催された米国国際政治学会で研究成果を報告したことである。前者に関しては、『国際政治』掲載の論文から得られたデータを新たな基準(特に方法論に関して記述的な研究と事例研究の違いに関する基準を明確化)で分析し直し、米国のInternational Studies Quarterly及びInternational Organization、ドイツのZeitschrift fur Internationale Beziehungeなど海外学術誌のデータとの比較可能性を向上させ、さらに日本の特徴である低理論依存性が日本における外交史研究や地域研究の優位性と強い相関があることを統計学的に示した。その上で、改めて日本の国際関係論がグローバルな国際関係論に統合するポテンシャルについてコペンハーゲン大学のクリステンセンの研究などを参考に多角的に検討した。後者に関しては、上記の研究成果をドイツ側の研究者と共有した上で、さらに発展させ、その成果を上述の米国国際政治学会で報告した。報告では、グローバルな国際関係論の「中心」の外郭に存在する日本とドイツの国際関係論がどの程度「中心」に統合されているのかを欧米の学術誌への投稿論文の数や海外博士号取得者の数などのデータを基に分析し、さらにそのような統合を妨げる要因についても検討した。分析の結果、日独の研究者の大部分が自国内で学位を取得していているため「中心」からの独立性が高いという点や、日本ではドイツよりも母国語での研究成果発表に重点が置かれている点、さらにはドイツと比較して英語を媒体とする海外専門誌における日本人研究者のプレゼンスが低い点などが明らかとなった。