著者
田邊 靖博 赤津 隆 宮内 博之
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

実用衝撃負荷速度域において、建物が衝突による衝撃負荷を受けることを想定した研究を行い、繊維の荷重保持力(強度×断面積の大きな繊維)が大きいほど耐衝撃抵抗性が高いこと、マトリックスが延性であるほど破片が大きくなること、破壊靱性値が大きいほど欠損体積が小さくなること、を明らかにした。さらに、繊維の機械的特性によっても破壊現象が大きく変わることを明らかにした。高強度コンクリート、繊維とモルタルの密着性制御、ならびに高強度繊維を組み合わせることで、飛翔体の衝突で材料中に大きな欠損が生じさせない、あるいは、飛翔体の運動エネルギー吸収能が高い、新たな繊維強化モルタルあるいはセメントの作製に有効な設計指針を明らかにした。
著者
御崎 智之 福留 寛隆 篠田 豊 赤津 隆 若井 史博
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集 第24回秋季シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.342, 2011 (Released:2011-09-30)

セラミックス製品の作製において焼結現象の理解は非常に重要である。焼結は原料粒子の収縮と粒界形成の過程であるが、多数の粒子が関係する焼結現象も本質は2粒子間の粒子界面で起こるミクロな相互運動の集合と考えることができる。そこで焼結力を定義することにより、このような2粒子間のミクロな相互運動の運動方程式を理論式に構築し、さらにシミュレーションにより収縮挙動を予測することができる。一方でこうした理論的な結果の信頼性を保証するには、実験的に現実で起こる現象を観測する必要がある。そこで本研究では、焼結理論と現実に起こる現象の橋渡しのために、ミクロ領域での粒界の相互運動を直接計測するためのミクロ試験片を開発した。
著者
日吉 英司 篠田 豊 赤津 隆 若井 史博
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1312, pp.661-664, 2004-12-01

The distribution and the morphology of glass phase in polycrystals are affected by the dihedral angle and the volume fraction of the glass phase. The effects of temperature and chemical composition of intergranular glass on dihedral angle of glass-doped 3-mol%-yttria-stabilized tetragonal zirconia polycrystals (3Y-TZP) were studied by transmission electron microscopy (TEM). The intergranular glass was either SiO_2 (melting point of 1700℃) or Y_2O_3-Al_2O_3-SiO_2 eutectic glass (YAS glass: melting point of 1350℃). The average dihedral angles of SiO2-doped and YAS-doped 3Y-TZP, which were sintered at 1300℃, were found to be 70℃ and 50℃, respectively. The dihedral angle in YAS-doped 3Y-TZP decreased to 25℃ after annealing at 1500℃, whereas that in SiO_2-doped 3Y-TZP remained constant. From the relationship between the dihedral angle and the ratio of grain boundary energy to solid/glass interface energy (γSS/γSL) > it was suggested that XSS/^SL increased at elevated temperatures higher than the melting point of glass.