著者
石川 義弘 赤羽 悟美 佐藤 元彦 藤田 孝之 奥村 敏
出版者
横浜市立大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

心臓における自律神経調節の主体は、交感神経受容体と連動してcAMP産生を担うアデニル酸シクラーゼである。cAMPは下流酵素を活性化し、細胞内分子のリン酸化を起こし、その主要な標的がカルシウムチャネルであり、細胞内カルシウム+の流入を増加させて心筋の収縮性を制御する。カルシウム流入は心筋の拍動ごとに変化するから、アデニル酸シクラーゼとカルシウムチャネル活性は、拍動に応じた時間的位相差をもって変化すると予測される。我々はこれらの前提に基づいて両者の分子の制御メカニズムを検討し、双方向性の活性調節が時間的かつ空間的因子によって制御されることを見出し、不整脈の予測変化に役立つことを見出した。