著者
福永 大輝 越智 景子 大淵 康成
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.10-18, 2019-03-15 (Released:2023-05-02)
参考文献数
14

「リズムアクションゲーム」というジャンルに分類されるゲームにおいては、プレイヤーの操作に応じたサウンドが再生されることで楽曲演奏を体験できることに重点を置いたものが多く存在する。本稿では、このリズムアクションゲームを対象に、ゲームデータの自動生成を目的に「キー音」の自動推定を行った。「キー音」とはプレイヤーの操作に応じて発音されるサウンドのうち、もともと楽曲中に含まれる音を切り出したものである。ある発音時点に存在するサウンドがキー音となるか否かについて、音響的特徴とサウンドが再生される時系列情報を使用して機械学習による推定を行った。その結果、同じ楽曲のみから学習を行う場合では90%程度、他の楽曲とデータを混合して学習を行う場合であっても60%以上の精度を得られることがわかった。キー音の音響的特徴、またサウンドの再生時系列についての分析結果は、今後リズムアクションゲームのゲームデータの自動生成を目指すにあたり、大きな基盤になると考えられる。
著者
越智 景子 井上 昂治 ララ ディベッシュ 河原 達也 熊崎 博一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 99回 (2023/12) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.78-83, 2023-12-04 (Released:2023-12-04)

精神科デイケア(精神科リハビリテーション外来)における傾聴ロボットの「きくロボ」の有用性について検討する。利用者が発した言葉を繰り返すなどのカウンセリング技法に基づいて開発された傾聴ロボットが、精神科デイケアの環境でが効果的な活動を提供できるかどうかを評価するために、会話実験を行った。ロボットは、18名のデイケア利用者が最近印象に残った出来事について話すのを最長3分間傾聴を実施した。その結果、会話によって自己評価の覚醒度が高まることが示された。また対話システムの応答の分析により、きくロボの評価応答や相槌の頻度が頻度が高かった対話のほど協力者が対話後に気分が改善したことが分かった。
著者
ヤーッコラ伊勢井 敏子 広瀬 啓吉 堀田 典生 板井 陽俊 越智 景子
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

言語差は発話時の呼吸の制御や腹筋・胸筋と切り離せないことや下腹部の筋肉は呼吸筋とは異なる動きをすることが明らかになった。発話時の呼吸回数に差はほぼないが,呼気量の制御に言語差が見られた。さらに,男女差は言語によるが腹筋・胸筋の使い方に出る。ポーズ制御に言語差が大きく出る。文法的単位や韻律単位になり,文・節・句以外に複合語や単語レベルにも及ぶ。また,母語と学習外国語の差は,母語で使う呼吸方法や腹筋・胸筋の使い方の影響が出る。加えて,喉頭制御は腹筋・胸筋の動きとは必ずしも連動しないことや,肺活量に基づく年齢(肺年齢)と実年齢では大きな不一致があり喫煙との相関はほぼないということも確認できた。