著者
趙 傑剛 青山 ヒフミ 羽山 由美子
出版者
大阪府立大学
雑誌
大阪府立大学看護学部紀要 (ISSN:18807844)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.85-91, 2007

本研究は中国における看護系大学の兼任教員がどのような環境におかれているのか,どのように専門的発達に向けて取り組みをしているのかを明らかにすることと,兼任教員の専門的発達を支援するための示唆を得ることを目的とする。中国都市部にある四つの大学病院に所属する兼任教員14名を対象とし,半構成的質問による面接法を実施した。その結果,【技術的熟達者志向の教育背景】,【看護師として満足の得られにくい臨床現場】,【整えられていない教員養成教育体制】,【看護教育に従事することによるほこり】,【教員として未熟であるという認識】,【教育実践における試行錯誤】,【教育実践への支援体制の不備による困惑】,【専門的発達における自助努力】,【専門的発達への支援体制の不備による困惑】,【専門的発達への願望】の10カテゴリーが抽出された。これらのことにより,兼任教員への支援にあたり,教員に関わる支援体制の整備とともに,現状に基づき,且つ兼任教員の専門的発達に繋がる継続教育プログラムの開発が必要であることが示唆された。