著者
轟 孝夫
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ハイデガーや京都学派、和辻哲郎という20世紀を代表する哲学者は、彼らの近代批判的な思想に立脚して支持した体制が第二次世界大戦の終結とともに崩壊した後、政治的主張からは距離を取ったように見られることが多かった。それに対して本研究では、彼らが戦時中、ないしはそれ以前から、自身の近代批判に基づいて同時代の政治にどのように関わろうとしていたのかを分析した上で、彼らが戦後も基本的には政治-思想的立場を変えることなく、むしろその延長線上で同時代の政治的状況を捉えようとしていたことを明らかにした。