著者
辻田 哲平 近野 敦 安孫子 聡子
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

災害現場でのタスクの実行方法については積極的に議論がなされているが,ロボットをいかにして災害現場に搬送するかといった重要な問題についてはほとんど議論がなされていない.そこで,ロボットを災害現場へ運ぶ方法の1つとして,飛行機からパラシュートを備えたヒューマノイドロボットを投下することを提案する. なかでも本研究では,ロボットの損傷防止のために着陸時の衝撃を全身運動で吸収する方法の確立を目指す.研究の初期段階として,小型の片脚ロボットを用いた落下試験を実施した.これらの実験から得られた観点から小型ロボットのパラシュート着地動作を試行錯誤的に設計し,衝撃による加速度を40%に低減することに成功した.
著者
河野 仁 佐藤 文香 永岑 光恵 福浦 厚子 小野 圭司 岩田 英子 寺田 孝史
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、これまで日本で学術研究の対象とならなかった「大規模災害時の自衛官家族に対する社会的支援」の現状と課題を学際的かつ実証的に明らかにすることを目的として実施した。陸上自衛官とその家族を対象に、質問紙調査と面接調査を実施した結果、国連平和維持活動や東日本大震災等の比較的長期にわたる災害派遣活動時を経験した自衛官家族は、留守家族支援に関するニーズが比較的高く、災害時等における家族の安否確認体制の整備の重要性については多くが認める傾向にある反面、現実的にはまだ家族支援体制の整備が進んでおらず、近親者や友人等からの支援による自助努力が主体であり、「地域支援力」の形成が進んでいないことが判明した。
著者
轟 孝夫
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ハイデガーや京都学派、和辻哲郎という20世紀を代表する哲学者は、彼らの近代批判的な思想に立脚して支持した体制が第二次世界大戦の終結とともに崩壊した後、政治的主張からは距離を取ったように見られることが多かった。それに対して本研究では、彼らが戦時中、ないしはそれ以前から、自身の近代批判に基づいて同時代の政治にどのように関わろうとしていたのかを分析した上で、彼らが戦後も基本的には政治-思想的立場を変えることなく、むしろその延長線上で同時代の政治的状況を捉えようとしていたことを明らかにした。
著者
北島 正弘
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

1. 試料作製: グラフェン試料はGOS型に加えて、欠陥の少ない剥離グラフェン及びCVDグラフェンを、超高速測定及びバイアス効果の観察に供した。2. デバイス作成およびバイアス効果測定解析手法の確立: 始めに90 nm酸化膜/Si基板上に剥離グラフェンを付着させた。光学顕微鏡により単層グラフェンの付着確認後、その上に電子線リソグラフィー法により金電極を作成した。周波数48THz付近にGモード(グラフェンの炭素間伸縮振動モードに起因するピーク)の存在を顕微ラマンにより確認した後、超高速分光測定に供した。50Vの電圧印加したとが、このピークの周波数変化は~0.05 THzと小さかった。デバイス構造に問題があると考え、イオン液体を用いた手法へと方針を転換した。イオン液体に浸したCNT電極に電圧を印加した状態でポンプープローブ測定した結果、40 THz及び48 THzにそれぞれ、Dモード、Gモード(欠陥に誘起される振動)のコヒーレントC=C伸縮振動を明瞭に観測することができた。これらのピークの振幅、周波数及び寿命は電圧印加によって大きく変化した。特に高電圧印加ではGモードの強度が極端に減少した。これはフェルミ面が光励起のエネルギーを超えると、フォノン励起が起こりにくくなったことによる。これは、電子格子相互作用に係わるコーン異常効果の消滅により、周囲に自由電子のない“裸の”フォノンの運動に対応する興味深いダイナミクスを示す。3.グラフェンの波束ダイナミックス: 検出光を波長分解することにより、欠陥における電子の弾性散乱によっておこるDモードのフォノンが、非常に高い波数を持ったフォノン波束としてふるまうことを示すことができた。これは光学フォノンの波束励起例としては初めてのものであり、ナノスケールの検出や、操作などの分野に応用できる可能性があり、当初予測しなかった重要な成果である。
著者
知念 直紹 友安 一夫 小山 晃 保坂 哲也
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

数学的に(特に幾何学的に)重要なコクセター群について研究を行い、コクセター群が幾何的に作用する非正曲率空間あるいは双曲空間の理想境界の位相的性質、具体的にはその境界が位相的にフラクタルの構造をもつ必要十分条件、コクセター群の境界として位相的普遍空間の構成、コクセター群への分解定理の拡張についての研究成果が得られた。また、空間のコンパクト化の剰余の固定点と深い関係がある写像のカラーリングについて調べ、局所有限なグラフ上の同相写像のカラーリング数を決定するための必要かつ十分条件の研究成果が得られた。