著者
宮崎 伸夫 原田 俊之 近藤 茂 長谷 美達雄
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.149-154, 1995-06-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
10
被引用文献数
1

雪の資源的ポテンシャルを多目的に活用するために,"スクリューフィード方式&quotの小型雪圧縮機を開発した.この雪圧縮機は,集めた雪をスクリューで筒内に押し込み,テーパーのついた筒の先端から円柱あるいは四角柱に圧縮・成型された雪を連続的に排出する仕組みになっている.また,この圧雪塊は着色することもできる.圧雪塊の力学試験から,実用上十分な強度と保存性があり,雪祭りや雪室の貯雪などの各種の材料として利用できることを明らかにした.この方式の特徴は,機械が小型で小動力で作動すること,操作が容易でかつ安全であり,経済性に優れた点も併せ持っていることである.
著者
近藤 茂則 神田 育子 石田 義成 鍋島 靖信
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.13-20, 2010-06-30
参考文献数
20

大阪湾におけるスナメリ<i>Neophocaena phocaenoides</i>の分布と密度を把握するために,大阪府環境農林水産総合研究所の海洋調査船「おおさか」によるスナメリ目撃記録の分析を行うと共に,湾中部海域を航行するカー・フェリーを用いてライントランセクト法による目視調査を実施した.海洋調査船「おおさか」は,2004年4月~2007年12月の期間における263日間に,合計25群のスナメリに遭遇していた.同船は大阪湾の広い海域を航行していたが,スナメリは岬町~岸和田市沖の湾東部海域(34&deg;21&prime;~32&prime;N,135&deg;8&prime;~20&prime;E)でのみ目撃されていた.また,カー・フェリーからの目視調査では,2005年10月~2007年1月の期間に,Beaufort風力階級2以下の海況下を4,403 kmにわたって調査し,合計72頭のスナメリを発見した.発見位置は,湾東部海域(34&deg;23&prime;~26&prime;N,135&deg;8&prime;~13&prime;E)に集中していた.スナメリの密度は,3~7月に高い値を示す傾向があった.ピークの4月における密度は,0.238頭/km<sup>2</sup>と推定された.これらのことから,スナメリは,大阪湾東部の限られた海域に主に分布しており,春~初夏にかけてこの海域に多く来遊すると考えられた.<br>