著者
速水 悠太郎 原田 二郎 河 源
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.192-195, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
13
被引用文献数
2

症例は60歳代, 女性. 数ヶ月前から右側腹部痛を繰り返し当科受診となった. 右尿管結石を疑いCT検査を施行したところ, 右水腎症及び下部尿管までの水尿管を認めたが, 結石は認められなかった. 逆行性尿管造影 (RU) 検査にて右下部尿管にcurlicue signを認め, 尿管坐骨孔ヘルニアと診断した. 腹腔鏡下に坐骨孔と尿管の間にメッシュを設置・固定した. 術後合併症を認めず, 現時点で再発を認めていない. 尿管坐骨孔ヘルニアに対する外科的治療法について考察した.
著者
速水 悠 前田 守弘
出版者
一般社団法人 日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.25-32, 2020-02-05 (Released:2020-02-18)
参考文献数
19

1日の灌水をタイマーで4回に分割した少量多頻度灌水(多頻度区)で促成ナスを栽培し,細根および土壌養分分布,ナスの生育,収量を,1回で全量灌水する1回灌水(1回区)と比較した.10月調査時(定植後55日)や3月調査時(定植後257, 258日)の多頻度区では,灌水後に水が横に拡散することで蒸発が進み,水を求めて細根が畝全体に広がったため,1回区より細根が広範囲で多かったと思われる.終了調査時(定植後257, 258日)では,1日当たりの灌水量が増えたため,多頻度区では灌水位置付近の重量含水率が増え,その位置で細根数が多くなった.また,同区のNO3−-Nの分布は1回区と同様であったものの,交換性塩基は1回区より高かった.これは,NO3−-Nはナスによって吸収されたが,吸収量以上の塩基類は溶脱せずに畝内に残存したためと考えられる.ナスの生育や収量には,灌水方法による違いが認められなかった.これは,いずれの灌水方法でも,ナスの生育や収量に必要な養水分は吸収されたためと思われる.以上のことから,低コストで導入できるタイマー制御の少量多頻度灌水であっても,栽培後期の畝内土壌の重量含水率が保持でき,養分の下方浸透を軽減しつつ,ナスの生育や収量を維持できる可能性が示された.