著者
江口 真透 栗木 哲 藤澤 洋徳 逸見 昌之 松浦 正明 間野 修平 小森 理 竹之内 高志 川喜田 雅則
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ゲノム・オミクスデータから導かれる科学的成果を得るための統計的方法の開発を行った。特に表現形(病型、治療奏功性、予後)の予測に適切な情報を抽出するために統計学と機械学習の方法の融合的な活用を実用化に向けて推進してきた。表現形の予測のためにROCカーブの下側面積の最大化によるブースト法を開発した。乳がんサブタイプを決める有効な遺伝子選択のためのLASSOクラスタリングを提案し、良好な成果が得られつつある。
著者
富田 裕章 藤澤 洋徳 逸見 昌之
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-16, 2018 (Released:2018-06-15)
参考文献数
22

多重代入法(Multiple Imputation; MI)は多分野の研究で欠測データを解析する手法として使われている.多重代入法は非常に使いやすい反面,欠測値に代入する補完値を生成する際に条件付き分布の同定を誤ると偏りのある推定量を導き得るという欠点がある.本研究では条件付き密度推定から導かれる重みを利用した重み付き最尤推定法(Bias-corrected MI; BCMI)に基づく推定量が,目的変数が欠測する場合の回帰分析においても一定の条件下で一致性があることを確認した.さらに,本手法を予測に適用することを検討し,予測精度を向上させるために密度推定によって求めた重みと補完したデータに対する重み付けパラメータを導入し,交差検証によって値を定めるという改良法(BCMI-CV)を提案した.数値実験によって,BCMI-CVは補完の誤り度合いによらず,安定的に予測誤差を小さくするという挙動を示すことを確認した.