著者
村田 昇 金森 敬文 竹之内 高志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.724-729, 2005-09-01
被引用文献数
2

本稿では, 近年機械学習の分野で注目を集めているアンサンブル学習の一つであるブースティングを取り上げる.特に三つの学習器によるブースティングの仕組みについて考えて, 「三人寄れば文殊の知恵」を実現するためにどのような工夫が用いられているのかを解説する.
著者
谷本 啓 坂井 智哉 竹之内 高志 鹿島 久嗣
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3G2GS2h03, 2021 (Released:2021-06-14)

どの介入行動がより良い結果につながるかを予測することは、意思決定支援システムの中心的な課題である。実環境での予測モデルを構築するためには、ランダム化比較試験(RCT)データがないため、サンプリングバイアスのある観測データからの学習に頼らざるを得ない。これに対するための近年の因果推論及び反事実機械学習では、薬を投与するかどうかなど二値の行動空間上の潜在アウトカムとその差、すなわち条件付き期待因果効果を推定することに注力している。しかし、本発表で示すように、大きな行動空間(個々の患者に対し適切な薬の組み合わせを選択するなど)になると、潜在アウトカムの回帰精度だけでは実用的にはもはや十分な意思決定性能を得ることができなくなる。提案する損失関数は、予測精度と同時に、個々の状況(患者)に対して過去の平均的な意思決定者(医者)の行動よりも相対的に良い行動であるかどうかの判別誤差を最小化することで、学習されたモデルに基づく意思決定性能を向上させる。半合成データセットで実験により、広い行動空間に対する提案法の優位性を実証する。
著者
江口 真透 栗木 哲 藤澤 洋徳 逸見 昌之 松浦 正明 間野 修平 小森 理 竹之内 高志 川喜田 雅則
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ゲノム・オミクスデータから導かれる科学的成果を得るための統計的方法の開発を行った。特に表現形(病型、治療奏功性、予後)の予測に適切な情報を抽出するために統計学と機械学習の方法の融合的な活用を実用化に向けて推進してきた。表現形の予測のためにROCカーブの下側面積の最大化によるブースト法を開発した。乳がんサブタイプを決める有効な遺伝子選択のためのLASSOクラスタリングを提案し、良好な成果が得られつつある。
著者
大山 賀己 竹之内 高志 石井 信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.337-342, 2008-03-05

近年,ECOCの枠組に基づき,多値判別問題を複数の二値判別問題に分解することによる多値判別手法が考案されている.確率モデルに基づく復号法が提案され,有効に働くことが報告されている.これらの手法においては,前もって与えられた符号表と呼ばれる行列を用いて二値判別問題への分解が行われるが,符号表をどのように設計するかは未解決問題であり,そのため用いる符号表の大きさに起因する計算コストを削減することが重要な課題となっている.本研究では,上記の問題を解決するために符号表の一部を階層的に用いる新たな多値判別手法を提案し,また提案手法を複数回行った結果を上手く混合して最終的な復号を行うアンサンブル手法も提案する.提案手法を人工データやUCIデータセットを含む様々な多値判別問題に適用した数値実験を通じて,提案手法がハミング復号や多クラスSVMのような他の多値判別手法に対して優越または匹敵する性能を有し,またクラス数の大きな多値判別問題に対して高速な計算時間を実現していることを示す.