著者
泊 祐子 赤羽根 章子 岡田 摩理 部谷 知佐恵 遠渡 絹代 市川 百香里 濵田 裕子 叶谷 由佳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.4_841-4_853, 2022-10-20 (Released:2022-10-20)
参考文献数
35

目的:小児の利用者のいる訪問看護ステーション(以下,訪問看護St.)において属性と他施設・多職種との連携困難,診療報酬が算定できないサービスの実施状況の地域差を明らかにする。方法:無作為に抽出した指定小児慢性特定疾病訪問看護St.に質問紙調査を行った。結果:回収した455部を,都市部(31.4%),中間部(31.4%),郡部(36.3%)の3群で比較した。都市部と比べて,郡部では訪問距離「片道15km以上」が61.8%と多く,小児利用者数は4.8±7.0人と少なかった。医療的ケア児数には有意差がなかった。他施設・多職種連携困難は,「退院調整会議での連携に困難を感じる」が都市部より郡部が有意に多かった。また,診療報酬が算定できないサービスの実施は「受診時の訪問看護師の同席」が都市部より郡部が有意に多かった。結論:どの地域でも訪問看護St.が機能しやすい仕組づくりの必要性が確認された。
著者
部谷 知佐恵 岡田 摩理 泊 祐子 赤羽根 章子 遠渡 絹代 市川 百香里 叶谷 由佳 濵田 裕子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20211206162, (Released:2022-08-03)
参考文献数
33

目的:全国の小児の訪問看護を行う訪問看護ステーション(以下,訪問St.)において診療報酬を算定できないサービスの実態と算定の必要があると考えるサービスについて明らかにする。方法:全国の小児利用者のいる訪問St.に診療報酬を算定できないサービスの実施状況と必要性に関する質問紙調査を行い,455か所の訪問St.の記述統計および自由記述の内容分析を行った。結果:診療報酬を算定できないサービスは78.7%の訪問St.で実施されており,実施による小児のメリットは【状態が変化しやすい小児の体調悪化のリスク回避ができる】【状況の変化に合わせて小児の成長発達が促進できる】【医療的ケア児と家族の生活が安定する】【小児と家族の状況に応じた支援体制が構築できる】があった。結論:多くの訪問St.が,診療報酬の算定ができなくても小児にとってのメリットがあることでサービスを提供しており,算定の必要性を感じていた。
著者
泊 祐子 岡田 摩理 遠渡 絹代 市川 百香里 部谷 知佐恵 濵田 裕子 叶谷 由佳 赤羽根 章子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20210123121, (Released:2021-07-09)
参考文献数
23

目的:医療的ケアのある重症児を看ている小児専門訪問看護ステーションの専門的役割と機能を明らかにすることである。今後,小児の訪問を新たに始める場合の準備の目安や,重症児と家族をケアする看護師の指針となると考えられる。方法:小児を専門としている訪問看護ステーション5か所の看護管理者5人にインタビューを行い,質的に分析を行った。結果:小児専門訪問看護ステーションは,【重症児の特徴をふまえた高度なケアの実施】と【家族全体の生活を支える援助】から成る『重症児と家族を支える小児専門訪問看護の役割』をもち,その土台には『小児専門としての役割を果たすための訪問看護ステーションの機能』として【小児在宅のプロの育成】と【家族のニーズに応える体制づくり】があった。結論:小児専門訪問看護の教育的機能と相談機能を推進することは,小児の訪問看護の拡大と質の向上につながると考えられる。