著者
邊見 均 五味 隆志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.543-551, 2001-07-01
被引用文献数
4

電子回路の構成・機能を自律進化的に変化させる「進化するハードウェア」(Evolvable Hardware:EHW)という研究分野について紹介する。この研究分野は1990年代のはじめに日本, スイス, 英国で独自に開拓され, 現在アメリカ, 北欧, 韓国などへと世界的に広がる様相を見せている。進化ハードウェアという概念がいかにして生まれたかから始め, いくつかのパイオニア的研究例について主に進化を可能とするようなハードウェアのコーディング方法を軸に解説する。また, この分野の最近の動向について主要な研究拠点ごとに概説する。
著者
日景 智文 邊見 均 松本 信義 下原 勝憲
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.437-438, 1997-09-24

我々はハードウェア記述言語(HDL)を用いたハードウェア進化システムAdAM (Adaptive Architecture Methodology)を提案してきた。[1][2][3]ではハードウェアの適応度評価をHDLレベルでの動作シミュレータにより行っていた。本稿てはFPGA (Field Programmable Gate Array)を用いてハードウェアの適応度評価を行うハードウェア進化システムを構築し, その動作確認を行った結果について報告する。AdAMシステムではSFLというLSI設計システムPARTHENONのHDLを用いている。このSFLの文法情報を染色体として用いることによりSFLプログラムの自動生成を可能とし, HDLベースのハードウェア進化システムの構築が可能となった。HDLベースのハードウェア進化システムと異なるアプローチとしては, 直接FPGAのコンフィグレーションビット列を染色体として用い, FPGAの基本ユニットの機能, 接続を直接変更する手法がある。[5]ではその点を生かし, ディジタル回路の制約を越えて回路のアナログ的挙動を進化させるという興味深い実験を行っている。反面, この手法では変化の粒度が小さすぎて複雑で大規模な回路を構築するのは困難であるように思われる。一方, HDLベースのAdAMシステムは大規模な回路を進化させることが出来る。