- 著者
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下垣 保恵
郡山 健治
田中 雅博
望月 裕司
豊田 嘉清
中井 直治
河野 厚
- 出版者
- 日本臨床免疫学会
- 雑誌
- 日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.6, pp.329-334, 2010 (Released:2010-12-31)
- 参考文献数
- 30
- 被引用文献数
-
1
50歳,女性.2003年9月に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus ; SLE)を発症.抗Sm抗体陽性.右水腎症.プレドニゾロン(prednisolone ; PSL)40 mg/日で治療開始.大腿骨頭壊死(2B),ステロイド精神病合併.2005年5月PSL15 mg/日まで漸減中に尿蛋白再出現でシクロスポリン(CyA)併用開始.1年後,嘔吐を伴う激しい頭痛を繰り返したが画像診断上は異常を認めなかった.2007年2月タクロリムス(TAC)に変更,頭痛は消失したが,同年9月頃より左優位の巧緻性運動障害,振戦,小刻み歩行等を認めた.2009年6月ドーパミントランスポーターのイメージング(DAT)検査にてパーキンソン病(Parkinson's disease ; PD)確定診断.遺伝子解析で孤発性PDと判明.TAC中止によりParkinsonismは一部改善し,薬剤性が示唆された.TAC投与中のSLE患者に振戦を認めた場合,Parkinsonism誘発の可能性があるため減量や中止を考慮すべきである.