著者
愼 蒼宇 檜皮 瑞樹 宮本 正明 鄭 栄桓
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

本年度は、研究計画にもあるとおり、瀬戸内のなかでも、在日朝鮮人人口の多かった広島、山口を中心に、岡山・香川にも足を延ばして公文書・郷土新聞などの資料収集、検討を主に行った。そのなかで、広島においては、広島県立文書館、広島市立公文書館での資料調査を行い、前者においては、戦前において県町村文書のなかに、協和会関連、戦時協力関連、居住状況関連の史料があり、戦後においては外事課の外国人登録関連、地方課での民籍・戸籍関係などの史料があった。広島市立文書館においては、市町村文書が充実しており、寄留や居住、就業、戦後の戸籍、団体などに関する史料が多く存在することがわかった。これは大きな成果であり、その量も多く存在するので、次年度も引き続き資料収集、検討を行うことにする。山口は山口県立文書館と県立図書館で資料調査を行い、戦前においては警察署管内状況報告(大正)、戦後においては警察・進駐軍関連、知事の引継文書などがあり、これらのなかに山口の在日朝鮮人に関する動向を示す資料をいくつか発見して収集することができた。また、周防大島文化交流センターにある宮本常一記念館を訪問し、宮本常一の調査ノートを収集することができた。岡山は岡山県立記録資料館で、戦前・戦後の牛窓市などを中心とした岡山市周辺地域の市町村文書を調査し、数は少なかったが、寄留関係の資料を発見することができた。香川では香川県文書館で、県市町村の文書を調査したが、大きな成果を得ることはできなかった。しかし、市レベルでの資料調査が必要であり、引き続き次年度も資料収集、検討を行う必要がある。ほかにも瀬戸内との関連も深い、長崎の島々、沖縄での在日朝鮮人関連の資料調査も個別に行った。本年度はこうした点で大きな成果を挙げ、次年度以降の分析、検討、研究成果の作成のための大きな礎を築けたと言える。