著者
酒本 知美
出版者
日本社会事業大学
雑誌
日本社会事業大学研究紀要 = Study report of Japan College of Social Work : issues in social work (ISSN:0916765X)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.5-20, 2019-03

要旨:本研究は、救護施設における地域移行・地域定着支援についての現状と課題について述べたものである。1950 年の生活保護法で規定された救護施設は、精神衛生法のもとで長期にわたり、「福祉」の入所施設として精神障害者を受け入れてきた。また、現在でも入所者の半数以上が精神障害を有しているという状況にある。歴史的な経緯の中で、救護施設は、精神科病院からの退院先の一つの選択肢であったこと、また、精神障害者にとっての居場所であった。また、全国の救護施設を対象としたアンケート調査を通して、「精神科病院から救護施設、そして精神科病院」という一つの流れがあること、また高齢化により死亡による退所も多いことが明らかになった。しかし、その一方で地域移行については、年齢や性別により退所にむすびつきやすい層があること、救護施設の事業だけではなく、障害者総合支援法も活用されるなど、選択肢があることが明らかになった。
著者
庄司 洋子 菅沼 隆 河野 哲也 河東田 博 野呂 芳明 湯澤 直美 田中 聡一郎 百瀬 優 深田 耕一郎 酒本 知美
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

「自立とソーシャルワークの学際的研究」と題し、自立についての規範的意味とソーシャルワークという実践との関連を包括的に検討した。その中で、社会福祉の領域で、中心的な議論であった経済的自立だけではなく、様々なフィールドで展開されている社会的な自立とソーシャルワークの重要性について明らかにした。