著者
西井 貴美子 山田 秀和 笹川 征雄 平山 公三 磯ノ上 正明 尾本 晴代 北村 公一 酒谷 省子 巽 祐子 茶之木 美也子 寺尾 祐一 土居 敏明 原田 正 二村 省三 船井 龍彦
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.119, no.14, pp.3037-3044, 2009-12-20 (Released:2014-11-28)

大阪皮膚科医会は学校における水泳プール授業時のサンスクリーン剤使用の実態調査を大阪府下の公立学校1,200校を対象に実施したが,結果は約3割以上の学校がサンスクリーン剤使用を禁止または不要としていた.禁止の理由として水質汚染の心配が多数をしめたため,2007年夏に大阪府内の公立中学校14校の協力を得てワンシーズン終了後の水質検査を実施し,プール授業開始直後の水質と比較した.結果は文部科学省の学校環境衛生の基準に定められている6項目(pH,濁度,遊離残留塩素,過マンガン酸カリウム消費量,大腸菌,トリハロメタン)のうち濁度,過マンガン酸カリウム消費量,大腸菌,トリハロメタンに関しては基準値からはずれた項目はなかった.遊離残留塩素,pHについてはサンスクリーン剤使用を自由または条件付許可の学校で基準値より低値を示す傾向にあった.統計的検討はサンプル数,各校の条件の違いでむずかしいが,定期的にプール水の残留塩素濃度を測定,管理し,補給水の追加をすれば紫外線の害を予防する目的でサンスクリーン剤を使用することに問題はないと考える.
著者
西井 貴美子 山田 秀和 笹川 征雄 平山 公三 磯ノ上 正明 尾本 晴代 北村 公一 酒谷 省子 巽 祐子 茶之木 美也子 寺尾 祐一 土居 敏明 原田 正 二村 省三 船井 龍彦
出版者
Japanese Dermatological Association
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.119, no.14, pp.3037-3044, 2009

大阪皮膚科医会は学校における水泳プール授業時のサンスクリーン剤使用の実態調査を大阪府下の公立学校1,200校を対象に実施したが,結果は約3割以上の学校がサンスクリーン剤使用を禁止または不要としていた.禁止の理由として水質汚染の心配が多数をしめたため,2007年夏に大阪府内の公立中学校14校の協力を得てワンシーズン終了後の水質検査を実施し,プール授業開始直後の水質と比較した.結果は文部科学省の学校環境衛生の基準に定められている6項目(pH,濁度,遊離残留塩素,過マンガン酸カリウム消費量,大腸菌,トリハロメタン)のうち濁度,過マンガン酸カリウム消費量,大腸菌,トリハロメタンに関しては基準値からはずれた項目はなかった.遊離残留塩素,pHについてはサンスクリーン剤使用を自由または条件付許可の学校で基準値より低値を示す傾向にあった.統計的検討はサンプル数,各校の条件の違いでむずかしいが,定期的にプール水の残留塩素濃度を測定,管理し,補給水の追加をすれば紫外線の害を予防する目的でサンスクリーン剤を使用することに問題はないと考える.
著者
福井 佳子 徐 信夫 前島 精治 酒谷 省子 草壁 秀成 清金 公裕
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.534-543, 1995 (Released:2010-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
9

昭和52年4月から平成7年3月までの18年間の転移性皮膚癌32症例を集計した。同期間内に当科外来を受診した新患総数に対する転移性皮膚癌患者の頻度は0.04%であった。年齢構成は平均58.9歳 (男: 59.2, 女: 58.6), 原発巣分類では胃癌 (9例)・乳癌 (8例)・肺癌 (7例) が多く, 全体の75%を占めていた。転移部位は胸腹部に多くみられ, 多発型が多かった。臨床像は結節型, 組織像は腺癌が圧倒的に多かった。原発巣発見後皮膚転移までの平均期間は36カ月で, 乳癌は長い傾向にあった。皮膚転移後死亡までの平均期間は5カ月で, 6カ月以内に死亡する例が全体の75%を占めていた。