著者
山口 裕美子 合馬 慎二 野々熊 真也 長町 茂樹 坪井 義夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.407-413, 2020 (Released:2020-06-06)
参考文献数
17
被引用文献数
2

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease; AD)とレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies; DLB)の鑑別における心理検査と脳画像の感度,特異度を77名の患者において,MMSE(Mini-Mental State Examination)からAla Scoreを算出,脳血流99mTC-ECD SPECT統計画像解析よりCIScoreを測定し年齢別に検討した.その結果Ala ScoreとCIScoreの値は79歳以下群で相関が見られ(r = 0.485, P = 0.002),80歳以上群では相関はなく鑑別が難しくなることが示唆された.両群ともAla Score,CIScore両者を用いると単独より特異度とAUC(area under the curve)が高く日常診療で可能なこれらの検査を用いて疾患鑑別の感度,特異度が向上する可能性が示唆された.