著者
野上 雄太 坂井 公俊 室野 剛隆 盛川 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.191-202, 2012 (Released:2012-04-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1 5

本研究は,広範囲の被害の概略をマクロに予測して危険箇所を抽出する1次スクリーニングを目的として,想定される工学的基盤の地震動に対して表層地盤の絶対加速度増幅率および絶対速度増幅率を推定する式を提案したものである.この推定式は,(1)表層地盤の固有周期だけでなく,入力地震動の卓越周期も考慮できること,(2)幅広い地震動レベルに対して適用可能であることが特徴である.増幅率の推定に必要な情報は,入力地震動に関しては,工学的基盤における地震動の最大加速度PBAと最大速度PBVの2つのみ,表層地盤に関しては,固有周期Tgのみである.また,提案した推定式の妥当性を地表と地中の両者で得られた実地震記録を用いて検証した.