著者
藤井 良知 平岩 幹男 野中 千鶴 小林 裕
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.592-601, 1986-06-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
14
被引用文献数
15 9

小林らの1966年から16年間の小児細菌性髄膜炎と比較し本邦に於ける1979年以降6年間の小児細菌性髄膜炎の現況を把握する目的で同じ施設107についてアンケート調査を行った.1,246名の症例を集計出来たが入院患者に対する比率は年次的に1984年の0.31%まで緩かな減少傾向を続けており, また地域差も見られた.新生児期24.8%と最も頻度が高く以降漸減するが4歳未満までに総数の84.7%が含まれ, この年齢別累積頻度は小林の報告と殆ど一致する.男女比は平均1.62: 1であった.起炎菌は3ヵ月未満の新生児・乳児ではE.coliとGBSが集積し, 3ヵ月以降ではS.pneimoniaeとH.influenzaeが集積してこの4菌種で菌判明例の70.1%を占め, 第5位のSmmsは各年齢に分散した.結核菌14, 真菌3, 嫌気性菌5などを除きグラム陽性菌と同陰性菌の比は1: 1.2であり少数宛ながら極めて多様なグラム陰性桿菌が検出された.髄膜炎菌22, リステリアは18件検出された.複数菌検出例は10例に認められた.起炎菌不明例は279例で年次的に3ヵ月未満群で菌判明率が梢高くなる傾向が見られた.