著者
野中 麻由 戸渡(上野) 智子 大中 忠勝
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.91-97, 2009-11
参考文献数
17
被引用文献数
1

被験者は21〜24歳の健康な女子学生18名とし、夏期と冬期に上下温度差がある温熱環境(上方が暖かく、下方が涼しい状態)に曝露した。平均皮膚温が温熱的中性域(33℃〜34℃)に保たれる条件で、中立的な温冷感、快適感が得られる「平均皮膚温と身体各部位の皮膚温の差」の範囲を検討した。夏期において中立的な温冷感、快適感が得られる平均皮膚温と身体各部位の皮膚温の差はそれぞれ2.3℃、2.7℃以内となった。同様に、冬期において中立的な温冷感、快適感が得られる平均皮膚温と身体各部位の皮膚温の差はそれぞれ3.1℃、3.2℃以内となった。また、冬期よりも夏期の方が、皮膚温の分布が小さくても寒さや不快感を訴える傾向にあった。
著者
大中 忠勝 野中 麻由
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.93-98, 2011-11
被引用文献数
1

20名の青年女子(21.3±0.6歳)を被験者とし、自己申告に基づき暑がり(HS群:12名)と非暑がり(NS群:8名)の2群に分けた。被験者は26℃(60%RH)の前室で20分間安静を保った後、28℃、30℃、32℃(50%RH)のいずれかの温度に設定された曝露室で60分間過ごした。実験中、身体7か所の皮膚温、舌下温、衣内湿度が測定され、同時に温冷感、快適感の申告が記録された。28℃への曝露60分目の平均皮膚温は、HS群33.6℃、NS群33.2℃であり、群間に有意差(P<0.01)が認められた。HS群は発汗量が多く、発汗開始時期も早い頃向にあったが、群間に有意差は見られなかった。両群とも、平均皮膚温と快適感の間に有意な相関関係が認められ、HS群の回帰直線の傾きはNS群より大きかった。HS群は平均皮膚温の上昇に伴い、温熱的不快感を生じさせやすい頃向にあることが示された。
著者
野中 麻由 大中 忠勝
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.34, pp.187-188, 2010-11-22

非冷え性者との比較により、室温22℃(PMV=-1)および24℃(PMV=-0.5)における冷え性者の皮膚温や温冷感の違いを検討した。被験者は健康な女子学生16名とし、自己申告及びアンケートにより冷え性グループ9名と、非冷え性グループ7名に分けた。24℃曝露では、非冷え性グループが冷え性グループに比べ、有意に寒し順に申告した。22℃曝露では、冷え性グループと非冷え性グループの温冷感申告値の差が小さかった。22℃曝露では、非冷え性グループに比べ冷え性グノトプの平均皮膚温と体幹部の皮膚温が高かった。冷え性グループの高い皮膚温が、非冷え性グループに比べ涼しい環境で涼しさを感じない原因の1つであることが示唆された。