著者
伊藤 大介 野島 聡 熊ノ郷 淳
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-10, 2014 (Released:2014-03-05)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

セマフォリンファミリーは分泌型及び膜型の蛋白である.もともとは神経発生のガイダンス因子として同定された.近年,様々な報告から,セマフォリンの中に生理的にも病理学的にも,免疫反応に関わるものが存在することが明らかになってきた.このようなセマフォリンは免疫セマフォリンと呼ばれ,Sema3A,3E,4A,4D,6D,7Aがあげられる.これらの中には,免疫細胞の活性化や分化に関わるセマフォリンもあれば,免疫細胞の輸送を助ける役割を持つものも存在する.さらに,セマフォリンの代表的な受容体には,plexinやneuropilinがあり,これらは細胞特異的な発現パターンを有し,多種のシグナル反応に関わっている.現在,セマフォリンとその受容体は様々な疾患の診断及び治療ターゲットとなる可能性があると考えられている.今回,免疫おけるセマフォリンとその受容体の役割をⅢ型及びⅣ型セマフォリンを中心に述べていく.
著者
勝山 恒男 安家 武 野村 祐士 若本 雅晶 野島 聡 木下 和彦 村上 孝三
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.1810-1822, 2009-08-15

IPスイッチの処理能力向上にともない,レイヤ2ネットワーク規模が拡大し,経済的に大規模なレイヤ2ネットワークの構築が可能となってきている.これにともない,障害の波及範囲も広域化し,障害復旧に時間を要し,可用性を低下させる要因となっている.レイヤ2ネットワークの典型的な大規模障害であるループ障害では,ループパケットは,消滅することなくネットワーク内を転送し続ける現象が起き,システム全体の稼働停止に至ることがよく知られている.この現象は,本来バス構造であったLANセグメントをスタートポロジにしたが,ブロードキャスト型のプロトコルを変えていないために起きる本質的問題である.これを回避する従来技術としてSTP(Spanning Tree Protocol)が適用されているが,十分な効果が得られない場合も多い.そこで,本論文では,ループ障害を対象に,従来の障害事前防止型のアプローチではなく,その原因箇所をリモートホストから迅速に探索発見する診断型のアプローチを提案する.本方式は,第1ステップとして,診断探索を行う端末から送信するロングパケットによってノード負荷の低減を行い,また,架空MACアドレスからのブロードキャストARP要求の送信によってMACアドレス誤学習を訂正し,本来の通信機能の回復を行う.次いで,第2ステップとして,誤学習の成否と大量パケット受信ポートの分析によってループ箇所の特定を行う2ステッププロセスからなるリモート診断を特徴としている.