- 著者
 
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             田崎 和江
             
             野村 正純
             
             馬場 奈緒子
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 地学団体研究会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 地球科學 (ISSN:03666611)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.61, no.5, pp.389-400, 2007-09-25 
 
          
          
          
          - 被引用文献数
 
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             1
             
             
             
          
        
 
        
        
        2007年3月25日9時41分にマグニチュード6.9の地震が石川県能登半島を襲った.その地震のため1〜2週間電気や水道が止まった.住民は近所の井戸,湧き水,山水を注意深く使用した.なぜならば,地震後のそれらの水は,泥などで色が変化し,pHも硫酸イオンのために中性から酸性に変化し飲料不可になった井戸水があったからである.一方,地震から2ヶ月後の6月初旬,石川県七尾市中島町において、亀裂や陥没等々の地下構造の変化のため,海水が水田に浸透し稲が枯れる塩害が発生した.塩害が発生した水田を始め,周辺の用水路,貯水池の水を現地で測定したところ,pH8を示し電気伝導度(EC)も高い値を示した.また,塩害を起こした水田の土壌と稲を蛍光X線分析により定量分析をおこなったところ高濃度の塩素のほか典型的な塩害現象を示すNa,S,Feが高濃度に検出された.