著者
沼田 泰子 首藤 文榮 野村 直之 千葉 晶彦
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.142-145, 2006 (Released:2006-02-24)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

We evaluated the biocompatibility of cobalt-29 chromium-6 molybdenum alloy by analyzing disorders of the membranes of cells of the murine fibroblast L929 line. L929 cells were incubated with 10% fetal bovine serum at 37°C for 7 days in Eagle's minimum essential medium in the presence of either an extract of this alloy, or titanium extract, or vanadium ions. No morphological changes in the cells were observed in medium containing cobalt-29 chromium-6 molybdenum alloy extract or titanium extract, but a remarkable change was observed in the medium containing vanadium ion as a positive control. From the enzyme activity of the culture supernatant we determined the amount of lactate dehydrogenase (LDH) that leaked through the cell membranes. The amount that leaked from cells incubated in the presence of either of the metal extracts or vanadium ion decreased on day 1 and then increased with incubation time from day 2 onward. There was only a small increase in leakage in the media containing the metal extracts but a marked increase in the medium containing vanadium ion. These results indicate that the cell membrane remained nearly unaffected by Co-29Cr-6Mo alloy.
著者
野村 直之
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2(1998-NL-129), pp.1-8, 1999-01-20

ConceptBaseはヴェクトル空間法と転値ファイルによる類似文書検索をコアにもつシステム。高速性と高精度を達成するために、複合語句(Concept)間の部分マッチング、関連語抽出の近似処理、などの独自の工夫を施している。その概要とともに、対象とする文書空間のスケール拡大のための新しいソリューションとして、自動分類機能と、複数文書の鳥瞰ビューを提供する最新の自動要約機能を紹介する。
著者
川崎 洋治 野村 直之 中川 尚
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.37(2002-DD-038), pp.43-50, 2003-03-28

文書はその本文内部に、自身に対する書誌データ、すなわちメタデータを含んでいることが多い。本稿では、プレーンテキストやHTML文書の内容記述部分から作者や見出し階層のようなメタデータを自動的に抽出する技術を紹介する。次に、抽出したメタデータを格納するための枠組みをRDF Schemaによって定義することで、メタデータを流通させる仕組みを提案する。最後に、文書からのメタデータ自動抽出、およびSemantic Web標準に準拠したその構造表現化による情報流通上の効果について論じる。
著者
野村 直之 高橋 一裕
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第41回, no.人工知能及び認知科学, pp.75-76, 1990-09-04

言語学・工学の諸分野では慣用句および類似の術語の指し示す概念は一定していないようにみえる。市販の辞典によれば慣用句とは「二語以上が結合し、または相応じて用いられ、その全体がある固定した意味を表すもの。『油を売る』」とされ、またidiomとは、「全体の意味が各単語の意味を組み合わせて得られるのではなく、独特なもの;例"in the soup" 『困って』」とされる。これらは、いずれも計算言語学の言葉で言えば「構成性(compositionality)が成立しないこと」に注目した定義になっている。しかし、現在工学分野では明らかにこの定義とは異なる扱いもみられる。そこで、本稿では慣用性を互いに独立な3軸によって定義する枠組を提案する。慣用表現の定式化は意味解析システムの解析精度を高め、さらに解析結果の意味構造を適切に定義することに貢献する。特に、ある語彙が慣用句であるか否かの線引きを迫られるという意味で『大規模な』 自然言語処理システムの構築に対して、有益な示唆を与えるものと考えられる。この他、自然言語からの知識獲得や、外国語学習者のためのCAIシステムの効率的な設計や教材内容そのものへの応用が考えられる。
著者
野村 直之
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.507-512, 2010-12-01

Web2.0と総称されたITへの人々の関わりとIT自身の変化により,前世紀にはありえなかったスケールの情報爆発が起こった。新興Webサービスに押される形で,先に変化した顧客側に引っ張られる形で企業が「2.0」的変革(エンタープライズ2.0ともグランズウェルとも呼ばれる)を起こし始めた。ライフログに象徴される大量の行動履歴や不定形のクチコミ,多量の写真や動画が一般ユーザからネットに投稿されるようになり,もはや産業界で,メタデータによる交通整理が待ったなしの状況になっている。本稿では,そこで必要となる5W1Hメタデータ自動抽出技術,その応用としての自動匿名化やカレンダー自動連携サービス,ツイッターを初めとするソーシャルメディアのサービス向上の可能性,そして,パーソナル広告など,関連の将来市場について論ずる。
著者
落合 尚良 池田 崇博 野村 直之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.243-244, 1997-03-12
被引用文献数
1

GUI上でワープロ、メール執筆等の本業を行っている時に、バックグラウンドで関連文書を自動的に検索して提示する、オフィス文書自動検索の一実現方法を提案する。近年のオフィス環境では、1人l台のPCが普及し、ウィンドウシステム上で、ユーザーが手動で気軽にマルチタスクを扱えるようになっている。そのおかげで、本業に関連する、検索などの別作業を割り込ませながら仕事を進める様態が一般的となっている。この従来無かった環境では、マルチタスクのおかげで業務の効率が上がる一方、本業への集中度が落ちて、次のような問題点が現れるようになった。<問題点1)>___-割り込み作業の内容により気が散る、本業から脱線、何をしようとしていたか忘れ、重要でない作業に走る。<問題点2)>___-割込みか作業の遂行のための手順の想起、関連情報の所在の想起、手榎順の実行、結果の確認方法の想起などに思考のコストおよび時間のコストがかかる。これらの新たな問題点の解決につながる技術の中で、ユーザによる曖昧な指示を解釈し、必要に応じて時間/空間の制約を越えて「良きにはからって」くれるソフトウェアはエージェントと呼ばれる。本稿では、エージェントによる代行に問題をシフトさせず、解決の対象を上記の<問題点2)>___-に絞って、「自動検索」の新しいユーザインタフェースを提案する。従来の関連研究では、検索の条件指定を自動化する試み、すなわち、明示的にキーワードを指定せずに類似文書を検索する文書アクセスを行うための手法として、たとえば文献[1]がある。但し、主眼は文字列成分分布の類似度比較という要素技術の側にあり、具体的にどのような状況でユーザの検索行為を省力化できるかが明示されてはいない。
著者
高橋 一裕 野村 直之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.7-8, 1991-02-25

機能語を正しく解釈することは、日本語の解析にとって不可欠な技術である。そのため、機能語の分類や曖昧性解消の方法は、情報処理の方面からも言語学の方面からも[野村89][鈴木89][奥津86][森田88]様々な研究がなされてきた。しかし従来の研究には、「40ページまでだけからでさえも」といった長い助詞列の曖昧性解消・機能解釈に関して明確なメカニズムの提案がなかった。本稿は、機能語列の曖昧性解消という課題のなかから、形態素解析における助詞列の文法的機能の曖昧性解消について論ずる。助詞列の順序構造に注目し、構造に適合しない並びを排除することによって助詞列の局所的曖昧性解消を行う、という方法について説明する。